九州北部では梅雨前線の影響で猛烈な雨が降っており、気象庁は12日、「熊本県と大分県を中心にこれまでに経験したことのないような大雨になっている」とする記録的大雨に関する情報を出し、河川の氾濫や土砂崩れなどに厳重な警戒を呼び掛けた。
熊本県では午前5時45分ごろ、菊池市旭志伊萩で民家の裏山が崩れ、住人の2人が生き埋めになった。2人は約1時間後に救出され、打撲などの軽傷。県警によると、民家は土砂に約10メートル押し流された。同市は午前4時半、71世帯に避難を指示していたが、この民家は含まれていなかったという。
熊本市は市内を流れる川が氾濫する恐れがあるとして、2万6387世帯に避難を指示。大分県竹田市が全域の1万504世帯に避難勧告を出し、うち6598世帯については、避難指示に切り替え警戒を呼び掛けた。
熊本県阿蘇市乙姫では12日午前6時前に1時間雨量が108.0ミリを記録。同所の同10時までの24時間雨量は507.5ミリに上った。
気象庁によると、前線に向かって南から湿った空気が流れ込み、西日本から東日本の広い範囲で大気の状態が非常に不安定となっている。特に九州北部は局地的に対流雲が発達し、1時間に100ミリ前後の猛烈な雨が降っている所がある。
13日にかけ、西日本と東日本、東北地方の広い範囲で雷を伴った非常に激しい雨が降り、大雨となる見込み。
[時事通信社]