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最終更新:2012年7月11日(水) 21時6分

アンケート結果、口外しないよう誓約書

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 滋賀県大津市で、いじめを受けていた中学2年の男子生徒が自殺した問題です。学校側が男子生徒の父親に対して、全校生徒のアンケート結果を口外しないよう「誓約書」を書かせていたことがJNNの取材でわかりました。

 これが学校側から自殺した男子生徒の父親に渡された誓約書です。学校は去年10月、全校生徒を対象に行ったアンケートの結果を生徒の父親に渡す条件として、内容を口外しないよう署名を求めていました。JNNの取材に対し父親は、「やむなくサインしたものの、真相の解明が遅れる原因となった」と話しています。

 学校側は去年11月にも2回目のアンケートを実施。「自殺の練習で首を絞めた」や「葬式ごっこ」などの記述がありましたが、父親に対しては「新たな事実が見つからなかった」として、全容を明らかにしていませんでした。

 「『自殺の練習と言って首を絞める』『葬式ごっこ』との記載に気づかず、事実の確認も行っていなかった」(大津市教育委員会の会見)

 大津市の越市長は、11日未明、緊急の会見を開いて、いじめと自殺の因果関係について遺族側と争っている裁判で和解する意向を示しました。

 「私自身は訴訟をいったん中断したい。訴訟で争う前に、事実関係が今までの学校の調査では信用できない。和解すべきだと思っています」(大津市 越直美市長)

 次々と明らかになる学校や市教委のずさんな対応に、男子生徒の遺族は悔しさをにじませます。

 「生きていてくれたら、何でもするけど、どうにもできない。何を言っても・・・」(自殺した男子生徒の祖父)
 「ええ子やったからねぇ。返してほしいです」(男子生徒の祖母)

 一方、これまで父親からの被害届を3回にわたり受理しなかった滋賀県警ですが、自殺から9か月経って本格的な捜査に乗り出すことがわかりました。「捜査すべき事案が次々と明らかになり、アンケートの結果なども一部しか公開されていないため、実態の解明を進める」としています。(11日17:55)

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