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【節電の夏】命守れるか 大阪の分娩医療機関の6割が計画停電の対象に
大阪府内で分娩(ぶんべん)を取り扱っている医療機関のうち、約半数が関西電力の計画停電の対象となっていることが11日、分かった。大阪は全国的にみても診療所など身近な開業医で分娩する妊婦が多いが、予備電源設備は不十分なのが実情。医療機器を多用する現代のお産に電力は不可欠で、大阪産婦人科医会は「分娩は予測がつかず、何が起きるかわからない」と、計画停電に備えた独自のシミュレーションを始めた。
大阪産婦人科医会によると、府内で分娩を取り扱っている医療機関は150施設。このうち、救急医療機関や総合病院を除いた産科の単科病院など、半数近い計69施設が計画停電の対象となっている。
政府は、今夏の電力不足が厳しい関西、北海道、四国、九州の4電力会社管内で計画停電が実施されても、1922の医療機関は対象外として電気が供給されると発表したが、対象外になるのは救命救急センターのような緊急時に重篤患者を受け入れる大規模病院など。大阪府内では、ほとんどの診療所が計画停電の対象となっている。
かつて、戦時中など電力事情が不安定な時代は電気を使わない分娩も行われていたが、現代の産科医療は胎児心音や陣痛の強さをはかるモニター、超音波など、電気を必要とする機器を多用している。大阪産婦人科医会の高木哲会長は「停電で医療機器が使えなくなると、医師の勘に頼るしかない」と話すが、機器なしの分娩は未経験という医師も多い。このため「計画停電になった場合は診療できない」と告知している医療機関もある。
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