世界的なメトロポリス都市である東京を、ワークショップ、トーク、共同制作などの活動を通して再考するプロジェクト。多様な人びとが集い、共に作業を行い、その場に時間と空間の経験が集約される中に、「東京」という都市の新しい可能性が見出され、展開されることを意図しています。
主催
東京都
東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団)
一般社団法人CIAN
1953年生まれ。28歳の若さでヴェネツィア・ビエンナーレの参加アーティストに選ばれ、その後も欧米を中心に高い評価を獲得し続けている。1999年、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科開設時に教授として着任。2005年には、第2回横浜トリエンナーレ『横浜トリエンナーレ2005「アートサーカス(日常からの跳躍)」』の総合ディレクターを務める。現在はパリ国立高等芸術学院教授。建築や都市計画、歴史学、社会学、日常のコミュニケーション、あるいは医療にまで及ぶ広い領域 に関わった作品制作を行っている。
プロジェクト2010について
塔を建てる人,塔の周りに集まる人の双方がプロジェクトを通じて出会い,日々新しい物語が生まれていくなかで完成した木造の展望塔「汐入タワー」。2 0 1 0年のプロジェクトは「ワークショップ」と「塔の建設」を中心に展開されました。小学生とのワークショップでは手のひらサイズの塔を制作したり,塔の物語を考え,絵本を制作した。建設現場では地域の方々との交流もあり,建設に協力する方もいました。
頂上の展望台からは,ゆるやかに流れる隅田川から風を受けながら,建設中の東京スカイツリーをはじめ変化し続ける東京の街並みを一望することができます。
後援
荒川区
荒川区教育委員会

手のひらの塔
鉛筆やボタン、貝殻やおもちゃなど、子どもたちが持ち寄った材料で手のひらサイズの自分だけの塔を制作。宝箱の隠れた海底の塔、音を奏でる楽器の塔、鉛筆の国の塔、想像を超えた不思議な出来事が起こる未来の塔、エナジーボールを発信するミラクル電波塔など、個性あふれる塔たちが完成した。

日時│2010年10月31日(日)
場所│荒川区立汐入東小学校体育館
参加児童│計99人

ワークショップアーティスト
宮元三恵/Mie Miyamoto (東京工科大学 准教授)
2006年東京芸術大学美術学部博士課程修了。「BLISS」(2003-04年、ノイス、ロンドン)2010年南千住第二幼稚園でも実施した「NEST」シリーズなど、 知覚や体験に基づく子どもとの空間制作を日本とヨーロッパの各地で展開している。

塔の影をつくる
ワークショップは影をなくした男の話や体遊びなどを通して、「もの」と「影」との関係を改めて考えてみることから始まり、大きなシートの上で様々な形をした自分の影を切り抜いていく「影とり」へと続く。それらを汐入タワー建設予定地に並べ、これから立ち上がる汐入タワーの大きさや存在に思いを馳せた。

第1回│「影のおはなし」 2010年11月14日(日)
第2回│「影になってみる」2010年11月28日(日)
第3回│「影で塔をつくる」2010年12月11日(土)
場所│汐入ふれあい館・都立汐入公園
参加児童│計29人

ワークショップアーティスト
宮元三恵

塔のおはなし
汐入タワーの完成前に子どもたちと自由に想像しながら塔にまつわる絵本を制作。建設資材が足りなくなったため友人の東京タワーからその身の一部である鉄骨を分けてもらったり、スカイツリーとケンカをするなど、様々な物語が盛り込まれていった。

第1回│「おはなしづくり」2010年12月12日(日)
第2回│「おはなしをつくる」2010年12月18日(土)
第3回│「みんなで絵本を読む」2010年12月19日(日)
場所│荒川区立汐入小学校多目的室
参加児童│計28人

ワークショップアーティスト
蓮沼昌宏/Masahiro Hasunuma(美術家、記録写真家)。1981年生まれ。2010年美術博士号取得(東京芸術大学)。主な活動に「鳩とのフィールドワーク」(上野公園/ 2004)、「高松次郎『工事現場の塀の影』の再制作」(横浜トリエンナーレ2005)、「斜面の自画像」(長野木崎湖/2010)など。

アートコンストラクター講習会
アートコンストラクターとは美術の制作において作家をサポートする技術者である。土木・建設技術に加え、美術制作という場の空気を読み臨機応変に動ける勘や現場力が求められる。本講習会では、さまざまな現場に従事してきたゲストを招聘し、レクチャー、トーク、ワークショップ、実習などを通じて制作現場における知の発展を目指した。

第1回│「アートコンストラクター入門」
講師:小山田徹 平成22年10月30日(土)
第2回│「アートコンストラクター実習①
講師:杉山至 平成22年11月14日(日)
第3回│「アートコンストラクター実習②」
講師:杉山至 平成22年11月27日(土)

塔を建てるについて
期間|2011年1月〜4月
竣工|2011年3月20日

隅田川河岸に佇む「汐入タワー」。この建設の過程には地域内外のさまざまな協力がありました。2 0 1 1 年1 月に建設作業は始まり,アートコンストラクター講習会の受講者や地域のボランティア参加者によって進められました。
また大人のみならず,子どもたちも作業現場の清掃や土嚢制作などに参加しました。この汐入タワーが地域に根付くことを願い,建設にあたっては「地鎮祭」「上棟式」などの式典なども行いました。そして汐入タワーは2カ月の建設作業を経て, 3月20日に完成。竣工式は3月11日に発生した東日本大震災の影響を考慮して中止され, 4月8日に改めて一般公開を迎えました。
対岸に現れる東京スカイツリーと対峙する,河辺に佇む木造の展望塔「汐入タワー」。展望台へと続く螺旋状のゆるやかなスロープを登り終えると,そこには東京スカイツリーが現れます。汐入タワーの設置期間は3 年間。ゆるやかに流れる隅田川を眺めながら,刻々と変化する東京の街並みを概観する。
 
塔をたてる 「汐入タワー」
隅田川河岸に佇む「汐入タワー」。2011年1月から建設が始まりこの建設の過程にはアートコンストラクター講習会の受講者や地域のボランティア参加者の協力がありました。
汐入タワーが地域に根付くことを願い、建設にあたっては「上棟イベント」などの式典も行い、2ヶ月の建設作業を経て、3月20日に完成しました。竣工式は東日本大震災の影響を考慮して中止され、4月8日に改めて一般公開を迎えました。河辺に佇む木造の展望塔「汐入タワー」。展望台へと続く螺旋状のゆるやかなスロープを登り終えると、そこにはスカイツリーが現れます。汐入タワーの設置期間は3年間、ここではゆるやかに流れる隅田川を眺めながら、刻々と変化する東京の街並みを概観できます。

アクセス
所在地│都立汐入公園荒川区南千住八丁目 水神大橋そば
交通│JR常磐線・東京メトロ日比谷線・つくばエクスプレス「南千住駅」下車徒歩20分
東武伊勢崎線「鐘ヶ淵駅」下車 徒歩約10分

開館時間
夏期[4月-9月] 9:00-17:00
冬期[10月-3月] 9:00-16:00
*施設管理上の理由により、閉鎖することもございます。
予めご了承ください。
プロジェクト2011に向けて
3.11の大震災をうけて、2011年7月、プロジェクトは今後の方針を議論することからスタートしました。東京という場所にいる以上、震災と無関係でプロジェクトを進められないという結論に至り、昨年度の「東京の風景を考える」というテーマとあわせ震災との関わりを考慮するプロジェクトに方針を変更しました。 昨年度と異なる条件下に置かれることとなったプロジェクト。被災地から遠い東京という場所で、今、いかなるアクティヴィティが可能なのか?まずは現状を確認するとともに、様々な活動を通じてその可能性を検討して行きます。

後援
中央区

岩手・仮設住宅のワークショップ
現地コーディネイターの協力を得て、岩手県宮古市の仮設住宅団地でベンチ・テーブル制作のワークショップを実現できました。小学生からお年寄りまで、様々な人が参加して制作しました。完成したテーブルを囲んで夕食をとり、ある人が「こんな風に外で大勢でご飯を食べることは今までになかった。」と話していました。被災地の見えにくい姿に触れる時間でした。
※Art Support Tohoku-Tokyo
「東京都による芸術文化を活用した被災地支援事業」の一環として実施。

日時|2011年10月15日(土)、16日(日)
場所|岩手県宮古市田老 仮設住宅



ステイトメント|東京
2011年10月〜12月
東京都中央区
リサーチを通じて外部に発信できる場所としてのメトロポリス都市、「世界との関わり」というキーワードが現れました。プロジェクトの候補地として「東京の水辺」・「世界との関わり」のある中央区立佃石川島公園パリ広場が浮上しました。
プロジェクトではこの地にどのような構築物を建設するのか、地域の方々等との意見交換を通じて検討しました。最終的に、隅田川と東京スカイツリーを展望するテラスを制作することとしました。


オリジナルプラン


ウッドテラス・コンストラクション 佃テラス
2012年2月8日〜3月19日
2012年3月20日 竣工

設置に向けての様々な準備を経て、2012年2月にテラス建設がはじまりました。実際の制作作業には地域内外から様々な人が参加し、特に近隣の主婦の方や小学生が足繁く現場に通って制作する姿もありました。変化する東京の景観を背景に「佃テラス」の建設の過程には様々な人の物語が生まれ、そして交錯しました。
展望デッキへと続くスロープは広場の木々の間をすり抜け、迂回するような形で建てられました。ぐるりと伸びたスロープを登り、角を曲がる度に、視界は徐々に地上を離れていきます。完成したテラスは公園を行き交う人々の新たな休息の場となりました。
頂上の展望台では日常と少しだけ違う視点から、隅田川の水面とその先にそびえ立つスカイツリーの景観を楽しめます。2011年、東京の景観をめぐって様々な反応を受入れながら完成した佃テラスでした。プロジェクトは様々な要素を受け継ぎつつ2012年へと続いていきます。

アクセス
所在地|中央区石川島公園パリ広場
中央区佃2-1-2(石川島公園内)
交通|都営地下鉄大江戸線、東京メトロ有楽町駅
「月島」駅下車 徒歩10分

プラン|東京
2012年度のプロジェクトでは、変わりゆく東京の風景を概観する3番目の構築物を提案する。
豊洲の地に東京の廃材を用いた木造ドームを設置。2012年10月には東京インプログレスによる3ヵ所の定点観測地が成立する。これらの場所から東京の風景を再考していく。
ドームコンストラクション
平成24年9月1日(土)〜10月26日(金)|工事開始
〃    10月15日(月)〜10月25日(土)|共同制作
〃    10月27日(土)|竣工(完成)
プロジェクトサイト
所在地|東京都立春海橋公園 江東区豊洲2-16-4
交通|ゆりかもめ東京臨海新交通臨海線、東京メトロ有楽町線
「豊洲」駅下車 徒歩7分
ステイトメント|パリ
パリに被災地の廃材によって、木造10メートルの構築物をつくり上げていく。そしてこの周りに岩手の被災地で組み立てた同様のベンチやテーブルを置く。被災地、そして東京から世界へ派生するアクティヴィティを構築する。
※場所、イメージはアーティストによる構想段階のものです。
プロジェクトサイト|パリ
Coming Soon...
リンク
川俣正ウェブサイト
>>http://www5a.biglobe.ne.jp/~onthetab/

東京文化発信プロジェクト室 東京アートポイント計画
>>http://www.bh-project.jp/artpoint/

CIAN(インターローカル・アート・ネットワーク・センター)
>>http://www.interlocalization.net/

CafeTalk+Tadashi KAWAMATA
>>http://www.cafetalk.net/

国立パリ高等芸術学院
>>http://www.ensba.fr/

Facebookページ
>>http://www.facebook.com/TokyoinProgress
「東京アートポイント計画」
東京アートポイント計画」は、東京の様々な人・まち・活動をアートで結ぶことで、東京の多様な魅力を地域・市民の参画により創造・発信することを目指し、「東京文化発信プロジェクト」の一環として東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団が展開している事業です。



運営チーム
CIAN(インターローカル・アート・ネットワーク・センター)


事務局長・プロジェクト・マネージャー
山口祥平/Shohei Yamaguchi

プロジェクト・コーディネイター
野地真隆/Masataka Nochi

事務局・コーディネイター
水谷朋代/Tomoyo Mizuya

事務局・コーディネイター
櫻井駿介/Shunsuke Sakurai

事務局・コーディネイター
松宮早紀/Saki Matumiya

プロジェクト・アーキテクト
鈴木雄介/Yusuke Suzuki

ドキュメント・ディレクター
ワークショップ・アーティスト
蓮沼昌宏/Masahiro Hasunuma

アートディレクター
加藤亮介/Ryosuke Kato

WEBデザイナー
千原凌也/Ryoya Chihara







お問い合わせ
一般社団法人CIAN
TEL│090-6149-0399 (事務局)
Mail│info-cian@interlocalization.net
Web│http://www.interlocalization.net/