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【大相撲】

琴欧洲 デレデレパワー 1敗堅持

2012年7月12日 紙面から

松鳳山を寄り切りで下した琴欧洲(左)=愛知県体育館で

写真

◇名古屋場所<4日目>

(11日・愛知県体育館)

 大関陣では琴欧洲(29)=佐渡ケ嶽=が松鳳山を下して3勝目、1敗を堅持した。初優勝を目指す大関稀勢の里(26)=鳴戸=は安美錦に押し出され、今場所初めて土がついた。把瑠都が関脇豪栄道を突き出し、日馬富士は旭天鵬を上手投げで退け、ともに全勝を守った。横綱白鵬は初顔の碧山をはたき込んで初日から4連勝とした。白鵬と2大関に、千代大龍ら平幕3人を加えた6人が勝ちっ放し。

 満身創痍(そうい)の琴欧洲が逆境をバネに奮闘している。初顔合わせの松鳳山を左四つでがっちりと捕まえ、寄り切りで下して3勝目。回転の速い突っ張りと素早い動きが身上の相手に対し、「慌てずにとれました」とほほ笑んだ。

 右足を負傷し夏場所千秋楽を休場。優勝争いに水を差したことに対して、北の湖理事長(元横綱)が千秋楽の協会あいさつで、名指し批判した。だが、琴欧洲の体はボロボロだった。右足をかばってきた影響で左足に負担がかかって肉離れ寸前に。さらに右手中指も痛めて「手も足も痛いところばかり」。場所前1週間を切って、やっと申し合いができたほどだった。

 「1日が長いよ…」。苦悩の日々を過ごす大関にとって今、心の支えは「かわいくて仕方ない」と話す生後8カ月の長男の存在。場所中は愛知県一宮市の宿舎近くにある麻子夫人(33)の実家で生活しており「名古屋にいても毎日子どもに会える。落ち着くね」。前向きになれる理由がそこにあった。

 成長していく息子に、いつか土俵で戦う自分の姿を見せたいと願うのは親の情。「物心つくのは何歳ぐらいからだろう。3歳? まだ記憶ないでしょ。5歳ぐらい? 先が長いね。でも2人目、3人目ができたら大変だよ」。長男が5歳になったら、琴欧洲は34歳。まだまだ辞められない。

 今場所はこれで3勝1敗。もし前半戦でつまずけば休場も、との周囲の声を一掃して上昇軌道に乗り始めた。「白星先行だから我慢できてる。何となく少し体も楽になっていくかな」と頬を緩めた。

 5日目は同郷(ブルガリア)の碧山と初対戦。「だいぶ力を付けてきた。思ったより早く上がってきたね。向こうも楽しみにしてるんじゃないの」。後輩に大関の貫禄を見せつけ、さらに勢いづきたい。 (竹尾和久)

 

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