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【社会】

中2自殺で学校捜索 「いじめ」暴行容疑 

2012年7月12日 02時06分

皇子山中学校の家宅捜索を終え押収物を運び出す捜査員=12日午前0時19分、大津市で(中森麻未撮影)

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 大津市立皇子山(おうじやま)中2年の男子生徒=当時(13)=が昨年10月、マンションから飛び降り自殺した問題で、滋賀県警は11日夜、暴行容疑で大津市教育委員会事務局と中学校を家宅捜索した。早ければ8月中に捜査の結果を出す。

 県警によると、家宅捜索は昨年9月29日に大津市の陸上競技場での体育大会で、同級生の少年3人が男子生徒の両手を鉢巻きで縛り、口に粘着テープを張るなどした暴行容疑。男子生徒は10月11日朝、自宅マンション14階から飛び降り、死亡した。

 中学校が全生徒を対象にしたアンケートで男子生徒が「殴られたり蹴られたりしていた」と直接見た生徒がいることや、「ハチの死骸を食べさせられそうになっていたと聞いた」などの記述が複数あり、県警はこれらの強要や暴行容疑などでの立件の可否を調べる。

 県警は11日、少年課内の特別捜査隊の捜査員ら20人と大津署の5人で専従捜査チームを設置。学校と市教委の幹部らから事情聴取を始めた。今後生徒にも話を聞く。

 県警はこの日、中学校から教員の日記やノート、生徒の出席簿、市教委からいじめ関係ファイル、生徒指導の関係書類など合わせて129点を押収。市教委から全生徒へのアンケートの原本の任意の提出を受けた。

 男子生徒の自殺後、父親(47)は大津署に「処罰できる方法はありませんか」と三度にわたり被害届を出そうとした。署はいじめの加害側とされる生徒が刑法では問えない14歳未満であることなどから「犯罪事実の認定は困難」などと受理していなかった。

 県警は捜査は継続しているとしたものの、市教委や学校関係者からの資料提供もすべてではなく、次々に非公開とされた資料が明らかとなり、「大津市教委は事実を伝えているのか、一抹の不安、不信がある」(県警幹部)として、家宅捜索が入る事態になった。

 県警の満重昭男生活安全部長は「自殺を未然に防げなかった原因は何かなど、事実や原因を徹底的に究明すべきと考えた。それこそが、再発防止の前提にもなる」との異例の談話を出した。

(中日新聞)

 

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