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中野・木島平の震度5弱、震源は断層帯間の「空白域」 07月11日(水)

 中野市と下高井郡木島平村で震度5弱を観測した10日の地震。同じ県北部では、昨年3月12日に下水内郡栄村で震度6強を観測した地震が起きたばかりだが、気象庁や地震研究者からはこの日、「直接の関係はない」との見方が目立った。ただ、研究者の中には、昨年4月に起きた別の地震の影響を指摘する声や、昨年3月の地震も今回の地震も、東日本大震災が各地の活断層を活発化させたことが遠因―との見方も出ている。

 長野地方気象台によると、10日の地震は、中野市と木島平村、下高井郡山ノ内町の境界付近が震源。一帯は、長野盆地西縁断層帯と新潟県の十日町断層帯の間にある「空白域」に位置する。

 県内の地震や断層帯に詳しい塚原弘昭・信大名誉教授(地震学)は、昨年4月12日、同3月12日の震源の南側で起きた横ずれ断層型の地震との関連に着目。「今回の地震と断層の動きが同じとみられ、震源も遠くない。この地震に誘発された可能性はある」と指摘する。

 塚原名誉教授によると、栄村と木島平村の境界付近で起きた昨年4月の地震は、東西方向に走る断層が横にずれて発生。今回の地震は、当時の震源から西側に約20キロ離れた場所で起き、発生のメカニズムが似ているという。

 昨年3月の地震との直接的な関係について、同名誉教授や、産業技術総合研究所活断層・地震研究センター(茨城県つくば市)の吾妻崇主任研究員は否定的。吾妻研究員は「今回はもともと地震がしばらく起きていない場所で起き、たまっていたストレスが解放されたのでは」とみる。

 江戸時代の1847(弘化4)年に善光寺地震を起こした長野盆地西縁断層帯は今回の震源の西側を南北に走る。広内大助・信大教育学部准教授(自然地理学)は、同断層帯付近は、西側で地震が起きる構造―と指摘。「それとは別の、あまり知られていない断層が動いた」とみる。

 一方、大塚勉・信大全学教育機構教授(地質学)は、昨年3月の地震と今回の地震について「根源は一緒」との見方を示す。二つの地震の震源は、もともと地震が多発しやすい「ひずみ集中帯」にあると説明。「東日本大震災以降、地下の活断層が活発化しており、結果的に各地震が誘発された」と推測している。


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