日本、PKO参加の自衛隊に集団的自衛権の行使容認を検討

国際機関の職員が攻撃を受けた場合、武力行使を容認

野田首相、支持率低下を挽回するため右翼的政策を推進か

 日本政府は最近、国連平和維持活動(PKO)に参加する国際機関の職員などが外部から攻撃を受けた場合、PKOに参加している自衛隊が対応して攻撃できるよう、関連法を改正することなど、集団的自衛権の行使に関する検討を本格化させている。これまで日本政府は、交戦権の放棄などをうたった憲法第9条に基づき、海外派遣中の自衛隊が直接攻撃を受けない限り、武力を行使することを禁じてきた。自衛隊による武力行使が国家間の紛争に発展しかねないと懸念したためだった。

 産経新聞が10日報じたところによると、日本政府の報道官に相当する藤村修・官房長官は9日の記者会見で「武力行使に関する規定を変更するPKO協力法改正案を今国会に提出することを検討している」と発表したという。これは、集団的自衛権の行使については反対意見も少なくないだけに、比較的論争の余地が少ない、PKOに派遣された自衛隊に限って集団的自衛権の行使を認め、その後範囲を拡大していく戦略ではないかとの見方が出ている。集団的自衛権とは、日本の同盟国などが第三国から攻撃を受けた場合、日本が攻撃を受けたものと見なし、第三国を攻撃できる権利をいう。

 日本国内でも、集団的自衛権の行使をめぐる動きがより顕在化している。国家戦略会議(首相直属機関)のフロンティア分科会が今月6日、集団的自衛権の行使について提案したことをめぐり、野田佳彦首相は9日、国会での答弁で「政府内部で集団的自衛権の行使の可否などについて本格的に議論していく」と述べた。就任直後、韓国や中国などの周辺国家を意識し、閣僚による靖国神社参拝を禁止したり、集団的自衛権を放棄した政府のこれまでの憲法解釈に従うと発表したりしてきたが、このような見解を変えたことになる。

 野田首相は最近、中国と領有権争いを繰り広げる尖閣諸島(中国名:釣魚島)を国有化する方針を打ち出したり、原子力基本法に「安全保障」に関する条項を盛り込み、核武装に道を開いたりするなど、周辺国家の視線を意識せず、右翼的な政策を進めている。

 野田首相のこのような右翼的な行動は、消費税の税率引き上げによる支持率の低下を「対外強硬策」によって挽回しようという意図によるものではないかとの見方も出ている。

東京= 車学峰(チャ・ハクポン)特派員
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