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女優の山田五十鈴さんが死去
7月10日 10時42分

女優の山田五十鈴さんが死去
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70年余りにわたって映画や舞台の第一線で活躍し、女優として初めて文化勲章を受章した山田五十鈴さんが、9日、東京都内の病院で多臓器不全のため亡くなりました。
95歳でした。

山田さんは大正6年に大阪市で生まれ、6歳のころから唄や踊りを習い、昭和5年に公開された映画で映画女優としてデビューしました。
時代劇を中心に大河内伝次郎や片岡千恵蔵など当時の大スターたちと共演し、かれんな少女役として人気を集めました。
黒澤明や小津安二郎など日本を代表する監督の名作に数多く出演し、映画女優の第一人者としての地位を確立しました。
その後、舞台に活動の中心を移し、昭和49年に上演された「たぬき」では、三味線や小唄、義太夫など多彩な芸をみせる難しい役を演じ切り、その年の芸術祭大賞を受賞、舞台女優としても高い評価を受けました。
80歳を超えた平成12年にはNHKの大河ドラマ「葵~徳川三代~」に出演し、家康の母の役を熱演したほか、同じくNHKのドラマ「怒る男・わらう女」では森繁久彌さんと共に円熟した芝居を披露しました。
こうした長年の活躍が認められ、平成12年には女優として初めて文化勲章を受章しました。
山田さんは、出演する劇場に歩いていけるという理由で、長年、都心にある帝国ホテルを住まいにしていたほど、人生のほとんどを芸能にささげましたが、85歳だった平成14年に体調を崩し、この年以降、芸能活動が途絶え、療養を続けていました。

香川京子さん“多くのこと教わった”

黒澤明監督の映画「どん底」や、舞台などで共演した女優の香川京子さんは「さまざま芸事に優れていた山田さんは、華やかさを持っているだけでなく、独立プロの作品にも積極的に出演される勇気もあって、新しい道を切り開いていく姿に多くのことを教わりました。ふだんは気さくな方で、舞台の幕あいにお雑煮のおいしい作り方を教えてもらったことを思い出します。山田さんの文化勲章受章のお祝いの会でお会いしたのが最後でしたが、亡くなったと聞いて本当に残念です」と話していました。

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