TMPGEnc Video Mastering Works 5 体験版 part2

TMPGEnc Video Mastering Works 5体験版いじってみたの続き。
本題のエンコードの設定についてですな。

x264のオプションとの対応関係を書いてるけど、全部正しいか確認したわけではないので、個人的な「これのことじゃないかな」ってぐらいの推定であることに注意してください。まあ、よくわからないときはMediaInfo使って確認したりしたので、あっているとは思うけど。
とりあえず、MP4(AVC)出力を選択。

こんな画面が出る。

TVMW5_videoSettings
クリックで拡大

このままではx264の詳細設定はできない。
で、ここがわかりにくいんだけど、上で赤く丸を付けたMPEG出力へ移行をクリックすると、x264の詳細設定ができるようになる。

まずは映像設定タブ。
基本的な設定ができる。

TVMW5_videoSettings_mpeg
クリックで拡大

映像エンコーダにはx264、プロファイルはHighを選択。
パフォーマンスのところがx264の--presetにあたり、ここを変更すると、詳細設定のほうに反映されるようになっているようだ。
レート調整モードのところで、エンコード品質を決定できる。

CBR(固定ビットレート)の設定はこんな感じ。

TVMW5_QualitySettings_CBR
クリックで拡大

つづいて、VBR(平均ビットレート)はこんな感じ。

TVMW5_QualitySettings_ABR
クリックで拡大

x264でいうところの --bitrate の設定だろう。--2passとかもできる。

で、一番重要なVBR(品質固定)

TVMW5_QualitySettings

x264だと--crfの設定になる。
ちょっと値のとり方が違っていて、TVMW5の品質はx264と異なり、大きいほど高画質になる。次のような計算式でcrfに変換される。何回か違う品質で出力してみた結果による推定。

(crfの値) = (-1 × (TVMW5の品質) ÷ 2) + 51

つまり品質50だと--crf 26、品質62で --crf 20となる。
品質100にしても--crf は 1 なので、--crf 0とかはできない。

最大ビットレートは--vbv-maxrateとして設定される。

まあ音声の設定はおいとくとして、次にGOP設定タブ。

TVMW5_GOPSettings

x264との対応関係は
最大参照フレーム数
--ref

GOPの標準フレーム数
--keyint

GOP内でのBピクチャ数
--bframes

シーンチェンジを検出する
チェック外せば--no-scenecut

シーンチェンジ検出感度
--scenecut

で、次に詳細設定タブ。ここがx264の詳細設定。


TVMW5_x264Settings_BigSize


長い…

【詳細設定】

【MP4オプション】
ストリーミング向けで出力する

必要ならばBaseline Low-Complexity プロファイル情報を出力する

【特殊設定】
キーフレーム設定を情報ファイルに出力する

色差チャンネルにローパスフィルタを適用する

【映像の設定】
ビデオフォーマット
---videoformat

原色
--colorprim

転送特性
--transfer

マトリックス係数
--colormatrix

VBVバッファ初期充填率
--vbv-init

Pピクチャの相対品質
--ipratio

Bピクチャの相対品質
--pbratio

【動き検索の設定】
動き検索タイプ
--me

動き検索範囲
--merange

【MPEG4 AVCの詳細設定】
スライス数
--slices

8x8トランスフォーム許可
--8x8dct

制約付きイントラ予測
--constrained-intra

最小クォンタイザ値
--qpmin

最大クォンタイザ値
--qpmax

色差QPオフセット
--chroma-qp-offset

量子化行列
--cqm

デブロッキングフィルタモード
デブロッキングフィルタ Alpha係数
デブロッキングフィルタ Beta係数
--deblock

ダイレクトモード予測
--direct

重み付け予測モード (Pピクチャ)
--weightp

重み付け予測モード (Bピクチャ)
--weightb

許可するマクロブロックモード
--partitions

【x264の詳細】
スライスをスレッドで処理する
--slice-threads

決定論的処理を行う
--deterministic

視覚心理最適化を行う
--psy

動き検索で色差を考慮する
--chroma-me

混合参照を行う
--mixed-ref

高速 P-skip 処理を行う
--fast-pskip

DCT係数削減を行う
--dct-decimate

マクロブロックツリー最適化を行う
--mbtree

Bフレーム ピラミッドモード
--b-pyramid

適応Bフレーム挿入
--b-adapt

適応Bフレーム挿入の傾向
--b-bias

サブピクセル動き予測モード
--subme

レート歪み最適化による量子化
--trellis

視覚的心理適応QPのモード
--aq-mode
分散ってのはVAQですね。

視覚的心理適応QP強度
--aq-strength

視覚的心理最適化のRD強度
視覚的心理最適化のTrellis強度
--psy-rd

スレッドの先行検査フレーム数
--sync-lookahead

動きベクトル最大長
--mvrange

動きベクトルスレッド間バッファ
--mvrange-thread

ビットレート変動の許容度
--ratetol

レートコントロールの先行検査フレーム数
--rc-lookahead

イントラ量子化デッドゾーン
--deadzone-intra

インター量子化デッドゾーン
--deadzone-inter

QPカーブコンプレッション
--qcomp

QP事前カーブコンプレッション
--cplxblur

QP事後カーブコンプレッション
--qblur

ノイズ除去
--nr

まあ、ざっとこんなもんかな…

(2010.12.23追記)
途中までこちら>>にあるx264の詳細設定を見ながら書いていたため、イントラリフレッシュ(--intra-refresh)があるようなことを書いていましたが、体験版では削られていました。設定できないようです。間違ったこと書いててすまん。


あとは、エンコード開始するだけ。

エンコード中の様子。

TVMW5_Encoding04
クリックで拡大

「x264エンコーダ有効」
タスクマネージャを見ると、本体とは別にプロセスが起動してエンコードしている様子がわかる。残念なのは32bitだということ。64bitならもっと速いのに…

CPU使用率を見ると、x264のマルチスレッド対応の良さが発揮されている。

フィルタはインターレース解除(24fps化)しかかけていないということもあるだろうけど。
TVMW5_Encoding05
クリックで拡大


出力されたmp4をMediaInfoで覗くと、エンコード設定を見ることができる。わからなかったオプションの対応関係はこれを使って調べた。

念のために書いとくと、上のスクリーンショットからは多少変更してエンコードしたものなので、meがumhになってたりする。

TVMW5_MediaInfo
クリックで拡大

もちろん、x264を使っているから、画質はよく、圧縮率も高い。

とりあえず、こんなもんで。

TMPEGEncのいいところは、簡単に動画を取り込むことができて、プレビューが高速なところ。以前はH.264エンコードが残念で、x264vfwとか使ってたりしたけど、x264が使えるとなるとかなり強力な動画編集・変換のソフトウェアといえると思う。x264の細かいところまで設定できて、いいかなと。
ただ、--min-keyintとか見当たらないけど。どこいった。

私はNVIDIAのGPUを持っていないので、CUDAによるH.264エンコードは試せないし、CUDAによるフィルタリングも試せない。たいていGPUによるH.264エンコードって残念なのが多い(x264と比べると画質の割にやたら容量食ったりする)ので、まあそれはおいといて、CUDAによるフィルタリング + x264によるH.264エンコードっていうのは高速化という点では期待できるのかなと思う。

あとは、体験版だとできないけど、TMPEGEncはバッチ処理ができて、それを自動的に並列でいくつかのバッチを走らせることができるから、効率よくエンコードできるはず。

フィルタは…どうなんだろ。よくわからないけど。

残念なのは、さっきも言ったけど、64bitではない点。もっと速くなるのになー。

こんな感じで、売り物だけあって相当優秀なんだけど、個人的には、Aviutlの自動フィールドシフトとか、色域変換とか、ロゴ消しとか、エッジレベル調整とかが気に入ってるし、FAWとかも使うしで、結局Aviutl使うと思う。

試用期間は2週間なので、いろいろ遊んでみようと思う。
x264以外のH.264エンコーダとかも使えるみたいだし。

コメントの投稿

非公開コメント

プロジェクトファイル経由の2passエンコ

>Aviutlの自動フィールドシフトとか、色域変換とか、ロゴ消しとか、エッジレベル調整とかが気に入ってるし、FAWとかも使うしで、結局Aviutl使うと思う。

ロゴ消しだけ使用したaviutlのプロジェクトファイル(aup)
読み込みで平均ビットレート2pss選ぶと100%2pass目に
入ったところで異常終了。tmpgenc express4.0で出来た事が出来ない..
検索フォーム
いろいろ
公開中のAviutlプラグインとかのダウンロード

○Aviutlプラグイン
 x264guiEx 1.xx
 - x264を使用したH264出力
 - x264guiExの導入>

 QSVEnc + QSVEncC
 - QuickSyncVideoによるH264出力
 - QSVEncCはコマンドライン版

 エッジレベル調整MT
 - エッジレベル調整の並列化/高速化
 - マルチスレッド化・SIMD化

○その他
 x264afs
 - x264のafs対応版

 チャプター変換
 - nero/appleチャプター形式変換

 エッジレベル調整 (avisynth)
 - Avisynth用エッジレベル調整

○更新停止・公開終了
 改造版x264gui
 x264guiEx 0.xx
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR