弁護士として24年目を迎えた今年7月、東京・新宿御苑近くに法律事務所を開業した弁護士の李完植さん(53)。米国にも留学してニューヨーク州弁護士の資格も持ち、これまで得意の英語を活かした金融ファイナンスの仕事を中心に渉外弁護士として活躍してきた。まずは一人からのスタートで事務所内はまだ開業したばかりだ。
愛知県半田市出身の在日2世。5男3女の8人兄弟の5番目として大家族の中で育った。現在は妻、一男一女の4人家族。李さん家族は、本名のままで韓国籍から日本国籍に帰化している。
現在、在日の社会奉仕団体である東京王仁ライオンズクラブの会長を務めている。5月には東日本大震災の被災地の宮城県石巻市と気仙沼市大島を訪れ、バイクや自転車などの救援物資とともに、被災者のために作った『震災法律問題ハンドブック』を1000部無料で配って歩いた。
李さんは「弁護士であり、王仁クラブ会長でもあるということから、何かできないかと考えた時に、弁護士だからこそできる支援としてハンドブックがあった。また、原発損害賠償問題という大きなものもあるが、阪神淡路大震災から十何年が経っており、法律も改正されているので、それらについても書いてみたかった」と話す。今後、東京王仁クラブとしても、今回の大震災で親を亡くした同胞の子どもたちがいれば、支援していきたいという。 |