素材・部品産業が成長、対日依存度が過去最低に

 素材・部品産業は、1990年代末まで韓国の弱点だった。組立産業中心で経済が成長してきたからだ。韓国政府が2001年から「素材・部品発展基本計画」を掲げ、本格的な支援を行い、各社が重要部品の国産化に成功したことで、韓国の素材・部品産業は急成長を遂げた。

 昨年の韓国の素材・部品産業による輸出は2553億ドル、貿易黒字は867億ドルだった。2001年(輸出620億ドル、貿易黒字27億ドル)に比べると、10年で輸出は4倍、貿易黒字は32倍に拡大した。

 今年上半期は、欧州財政危機、中国の成長鈍化などの影響で、素材・部品の輸出は前年同期比で1.1%、輸入は5.6%減少した。欧州連合(EU)向けと中国向けの輸出がそれぞれ2.4%、6.6%減少した結果だ。このような状況下でも、韓米FTAの締結により、自動車エンジン(22.4%増)、エンジン部品(59.6%増)、自動車の車体用部品(47.0%増)などは、輸出が急速に伸び、貿易黒字が拡大した。

 今年上半期の素材・部品の対日輸入依存度は23%で過去最低を記録した。上半期の対日貿易赤字も前年同期比8.9%減の108億ドルに縮小した。知識経済部のイ・スンウ部品素材総括課長は「素材・部品の国産化率が高まったことと、輸入先を多様化した結果だ」と説明した。

 しかし、まだ克服すべき課題もある。IT関連の重要素材など高付加価値の部品に関しては、依然として日本への依存度が高い。液晶パネルに使用するTACフィルム、半導体製造用のゴールドワイヤーは、日本からの輸入にそれぞれ99.5%、83.2%依存している。

 韓国貿易協会のシン・スングァン動向分析室長は「韓国の素材・部品の技術力は高まったが、重要な高付加価値技術に対する研究がさらに必要だ」と指摘した。

崔源奎(チェ・ウォンギュ)記者
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