韓国大法院(最高裁に相当)2部は9日、韓国で日本式居酒屋「WARAWARA」をフランチャイズ展開するF&Dパートナーが商標登録をめぐり、日本で居酒屋「笑笑(わらわら)」を展開するモンテローザ(東京都武蔵野市)と争った商標権紛争訴訟で、韓国側敗訴の下級審判決を破棄し、審理を特許裁判所に差し戻す判決を下した。
大法院は判決で、F&Dが2007年に商標登録を出願するまでに韓国で独自に相当の知名度を獲得していたのに対し、日本の「笑笑」という居酒屋ブランドは韓国ではほとんど知られておらず、モンテローザは同商標で韓国市場に進出する計画も立てていなかったと指摘した。
その上で、F&Dがモンテローザの韓国進出を阻止したり、日本側に代理店契約の締結を強制したりするために「WARAWARA」という商標の登録を出願したわけではなく、不当利益を得るのが目的だったと断定することはできないとし「不当な目的で商標を使用したと判断した下級審の判決は法理を誤解したものだ」と判断した。
F&Dは韓国で2001年から「WARAWARA」という商号で営業を行い、07年に商標登録を行った。これに対し、モンテローザは韓国の特許審判院に商標登録無効審判を行い勝訴。その後、判決を不服とするF&Dが特許裁に提訴し、両社の紛争は長期化している。