植民地時代に徴用の恩恵にあずかった企業の代表格に挙げられる三菱重工業と、勤労挺身(ていしん)隊被害者との間の賠償交渉が、最終的に決裂した。「勤労挺身隊のおばあさんと共にする市民の会(以下、市民の会)」は9日、光州広域市議会で記者会見を行い「今月6日に名古屋で行った第16回三菱勤労挺身隊被害補償交渉が最終的に決裂した」と発表した。
韓国側のイ・サンガプ弁護士とイ・グクオン「市民の会」事務局長、日本側の内河惠一弁護士など5人からなる「名古屋三菱朝鮮女子勤労挺身隊おばあさん支援団」は、昨年11月から三菱重工側と計16回にわたり交渉を行ってきた。支援団は、歴史的事実の認定と公式謝罪、未払い賃金・慰謝料の支払い、記念碑の建立などを要求したが、三菱側は最高裁判決を根拠として「個人補償には応じられず、既に日韓請求権協定により国家間で解決した事案」という立場を崩さなかった。
市民の会は9日「三菱は、これまでの交渉で常に高慢な態度を示し、80歳になるおばあさんたちの懇切な訴えにも耳を傾けなかった」と語った。