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07/10 00:42
勝間和代「死刑は廃止しなくては」 死刑事件を請け負う弁護人追ったドキュメンタリーで決意新たに
9日、ポレポレ東中野で映画『死刑弁護人』公開記念鼎談が行われ、映画監督で作家の森達也を司会に、経済評論家の勝間和代、弁護士の安田好弘氏らが日本の死刑制度について語り合った。
本作は、オウム真理教事件の麻原彰晃、和歌山毒カレー事件の林眞須美、光市母子殺害事件の元少年など、死刑判決の下った事件を担当し、凶悪事件を起こした者たちの弁護人として、世間から激しいバッシングを集め続けてきた弁護士の安田氏に密着したドキュメンタリー。
大のマスコミ嫌いで、テレビでは険しい顔を見せることが多い安田氏だが、この日は穏やかな笑顔。森が「テレビでは記者を睨みつけて、罵声を浴びせるのに、こんな笑顔は珍しい」とちゃかすと、「法廷では一生懸命だから。何もわかっていない記者にはこの野郎と思うし、そんな記者のために何でこっちが記者会見をしないといけないんだと。あれ(記者会見)は苦役ですよ。笑ってなどできない」と苦笑い。
一方、本作ついて、カレー事件の林眞須美が、直接証拠でなく間接証拠のみで追い込まれていったという描写に触れた勝間は、「元厚労省局長の村木(厚子)さんや、ホリエモン(堀江貴文)はお友達なので、さまざまな犯罪がでっち上げられるんだということは知っていましたが、それが死刑につながるかもしれないなんて。わたしたちがそういうことをされるかもしれないということを、どれくらいの国民が理解しているんだろうと。だからこそ安田さんが必要だし、死刑は廃止しなくてはいけないと強く思いました」と振り返る。
死刑廃止論者は「自分の家族が殺されても言えるのか」という反論にさらされるが、勝間は「それでもわたしは(死刑廃止と)言います。死刑が犯罪の抑止力に何の役にも立たないからです。死刑の問題が感情的なところで議論されていることに、きちんと向き合わないと」と決意を語った。また安田氏は「死刑というのはきわめて政治的な問題なんです。死刑を手放さないのは、検察が国民をどう喝するシステムを手放したくないから。でも世界の3分の2を超える国が廃止している。犯罪被害者の支援を手厚くし、犯罪防止のシステムを作るなど、政治家が、もっと言えば官僚が考えれば(死刑廃止は)簡単にできることなんです」と付け加えた。(取材・文:壬生智裕)
映画『死刑弁護人』はポレポレ東中野で上映中
【関連情報】
・映画『死刑弁護人』オフィシャルサイト
・映画『死刑弁護人』公開記念鼎談写真ギャラリー
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