大津いじめ自殺:調査委設置、遺族に打診せず 市教委
毎日新聞 2012年07月10日 02時36分
今回、学校は生徒の自殺から2日後に遺族と話し合い、全校生徒へのアンケートを決めた。生徒の父親(47)によると、この際に市教委から第三者委の選択肢の説明はなかった。アンケートの内容に納得せず、同10月末に再調査を求めたが、その際も説明はなかったという。父親は「説明があれば外部調査を求めていた。どうして説明してくれなかったのか」と憤る。
市教委の松田哲男教育部長は「調査方法の提案はしたが、細かな説明が十分ではなかった。2度目は、学校の調査が終わった段階で外部調査をしても自殺との因果関係を知ることは困難だと専門家の助言を踏まえて判断し、遺族には伝えなかった」と話した。
外部調査委の設置方針を示している越直美市長は「市教委の調査は信用できない。再調査で徹底的に調べたい」と話す。文科省生徒指導室は「事実確認が必要だが、市教委の対応は指針に合っていない。自殺から9カ月もたてば記憶も薄れる。早期に設置すべきだった」としている。【千葉紀和、加藤明子】