ダル、球宴前に救援！？延長１３回投手おらず中継ぎ待機

１３回、ブルペンで連夜のサヨナラ勝ちを喜ぶダルビッシュ（左から２人目＝共同）

　◆レンジャーズ４ｘ―３ツインズ＝延長１３回＝（８日・アーリントン）　レンジャーズのダルビッシュ有投手（２５）が、メジャーで初めて“中継ぎ待機”した。前半戦ラストゲームだったツインズ戦の延長１２回、救援陣最後の１人がマウンドに向かった後、ブルペンへ移動。１３回にサヨナラ勝ちで登板機会はなかったが、「フォア・ザ・チーム」の精神を見せた。１０日のオールスター戦（カンザスシティー）に選ばれた右腕の次回先発は、後半戦２戦目の１４日マリナーズ戦に決まった。

　劇的な瞬間を、ダルビッシュは思わぬ場所で見届けた。延長１３回１死満塁。キンスラーの打球が左中間を破った。２戦連続のサヨナラ勝ち。広がる歓喜の輪に、背番号１１の姿はない。ナインがベンチ裏へ消えた後、なんと右中間のブルペンから笑顔で引き揚げてきた。

　チームの流れを切るわけにはいかなかった。９回に３点ビハインドを追いつき、延長戦へ持ち込んだ。だが、総力戦は続き、１２回に８番手としてフェルドマンを送ったところで、６人用意していた最後の中継ぎ陣は使い切った。そこで首脳陣から緊急指令が下された。メジャーで初の“中継ぎ待機”だった。

ブルペンで投球練習をするダルビッシュ（共同）

　延長１３回で決着するまで、投球練習は行わなかったことから、登板は１５回以降やアクシデント発生時と見られる。ワシントン監督が「フェルドマンの次？　ダルビッシュだ。使わざるをえない状況になったら、行かせる予定だった」と明言。試合前には４８球の投球練習も行っていた背番号１１だが、休養により１日を最後に先発していないだけに、喜んでチームの歯車となったはずだ。

　後半戦もフル回転が期待されている。“リスタート”はオールスター戦後２戦目となる１４日のマリナーズ戦に決まった。当初は後半戦３、４戦目の予定だったが、ワシントン監督は「２度、エンゼルスに投げさせたかった。最大のライバルだからだ」。４ゲーム差に迫られている２位エンゼルスとは、８月上旬まで２カードある。ダルビッシュをキーマンとして、ともに登板させるためにローテを再考した。試合後には球宴の舞台、ミズーリ州カンザスシティーへ移動。世界最高峰のステージで、貴重な経験を積む。