初防衛から一夜明け、本紙を手に笑顔を見せる佐藤洋太=東京都新宿区の協栄ジムで
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さあ、次は亀田家と因縁の決着戦だ−。WBC世界スーパーフライ級王者・佐藤洋太(28)が9日、所属する東京都新宿区の協栄ジムで、初防衛一夜明け記者会見を行った。その中で金平桂一郎会長は、10月予定のV2戦の対戦相手として、前日に父・史郎氏とともに来場したWBC世界バンタム級シルバー王者の末弟、亀田和毅(20)を含めた亀田3兄弟に次戦オファーを出すことを正式表明した。
「(次戦は)いろいろ考えてますが、亀田さんの誰かとやれば盛り上がるという声もあります。(会場に父・史郎氏が来たことについて)来るのは知ってました。来るなら来るで話をしたかった。久しぶりなんであいさつでもしたかったんですけど。どうなんでしょう。やる気はあるんですか? うちはやります。でも、向こうはどうなの? あちら様の予定はどうなってるの? 何らかのルートで探りを入れて、近々、文書か電話で正式にオファーを出します。3人とも階級的に近いし、世界ランカーだから挑戦の有資格者。別に誰でもいい」
WBA世界バンタム級休養王者の長男興毅は拳を負傷し、復帰は年末の予定。2階級制覇を目指す次男大毅はスーパーフライを飛び越えて、バンタム級以上の転級の声も。となると、相手は和毅しかいない。その和毅は佐藤の試合を見て『あれで世界のレベルか? パンチ力がない。コンニャクみたいや。フツーに勝てる』などと発言していた。
「和毅が相手なら洋太は年上でもあるし、格も上。リップサービスもあるだろうし、目くじら立てるわけじゃないけど、社会人としてモノの言い方は気を付けた方がいい。実力は認めてますけどね。8月19日に和毅が香川で試合するの? ふーん、じゃあ高松にうどんでも食いに行きますか」
亀田家は2005年に協栄ジム入りしたが、08年にけんか別れの形で独立。ファイトマネーなどを巡り、法廷闘争も繰り広げた。
「訴訟は和解している。感情的なしこりはない。(協栄所属だった)坂田と大毅も試合(2010年9月、WBA世界フライ級タイトルマッチで王者大毅と挑戦者坂田が対戦)してるじゃない。障害はありません」
一方で、和毅の活動拠点がメキシコで、プロモーターもメキシコ人ということから、亀田側はメキシコ開催を希望しているともいわれている。
「日本人同士なのに、なんでメキシコなの? 意味が分からない。でも、はなから否定はしませんよ。どういう条件なのか。メリットはなんですか? メキシコでやるロジックが分かれば検討します。“どんなもんじゃい”とか“しゃおらー”とかフライパンねじ曲げるぐらいの勢いで障害を乗り越えられるというならいいですけど。分かりやすいのは東京。大阪でもいいし、東北あたりもいいと思っている。だめなら独自路線しかない」
「洋太の地元・盛岡市で、洋太の防衛戦と、同郷の(前WBA世界ミニマム級王者)八重樫東君の再起戦ができないかと。八重樫君がいきなり世界再挑戦となれば、岩手県コンビでの2大世界戦もできる。これは私案の段階ですけど。ともかく、亀田家がやるのかやらないのか。“オファーが来るぞ、逃げるなよ”と。金平の唇は怒りでワナワナ震えていたと、そう書いといてください。ムフフフ」 (竹下陽二)
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