首位を快走する巨人が試練の9連戦に挑む。2位の中日に2ゲーム差をつけているが、球宴休みまでの9試合のうち、抜群の強さを誇る東京ドームで戦えるのは1試合のみ。変則日程による過酷な移動も伴うだけに、2年ぶりの首位ターンを決めるのは容易ではない。
巨人にとって第一の難敵は超ハードスケジュールの移動。9日は京セラドーム大阪で行われる広島戦に向けて大阪入り。大阪を皮切りに岐阜→東京→名古屋→甲子園と移動が続く。特にきついのが10日の試合後。ナイター後、岐阜まで深夜の約2時間30分のバス移動が待ち受ける。さらに12日午前に岐阜から東京に戻って東京ドームで試合をこなすと、13日午前には再び名古屋に向けて出発しなければならない。
次に問題なのが、“庭”を社会人の都市対抗野球開催で使えないことだ。巨人は現在、東京ドームで8連勝中。今季本拠地では24勝6敗4分けと貯金18を荒稼ぎしている。逆に東京ドーム以外では18勝19敗2分けと黒星が先行。ナゴヤドーム14連勝中の中日と同じ“内弁慶”ぶりが目立ち、“外”での試合がほとんどとなる9連戦の戦いには、やや不安が残る。
この日からクールビズが導入され、背広とネクタイからは解放されたナイン。江藤打撃コーチも「これだけでだいぶ楽だよ」と苦笑いだったが、暑さの中での強行軍が続くことは変わらない。それでも岡崎ヘッドコーチは「1試合1試合戦っていくだけ。当然9勝を目指します」と一戦必勝態勢を宣言。フルスロットルで球宴休みまで駆け抜ける算段だが、その道のりは平たんではない。 (臼杵秀之)
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