多摩川河川敷でバーベキューオフ会中けんか、一升瓶で頭殴り逮捕

　神奈川県警中原署は９日、インターネットのゲームサイトで知り合った男性を、オフ会のバーベキュー後に一升瓶で殴って全治２か月の重傷を負わせたとする傷害容疑で、千葉県松戸市の無職・増村大輔容疑者（２９）を逮捕した。容疑者は、初対面の男性について「態度が気に食わなかった」などと供述している。

　県警中原署によると、増村容疑者は８日午後５時頃、川崎市中原区の多摩川河川敷でインターネットのゲームサイトで知り合ったメンバーら男女約３０人でバーベキューをした後、メンバーの１人で静岡市駿河区に住む男性（２８）の頭をワインの空き瓶で殴り、急性硬膜外血腫（全治２か月）の重傷を負わせた疑いで逮捕された。被害男性と初対面だったという容疑者は「男性の態度が気に食わなかった」などと供述している。

　グループは、ゲームサイトでの交流の中で「オフ会」としてバーベキューを計画。当日は、サイトのメンバーだけでなく交際相手なども集まり、お互いを名前ではなくハンドルネームで呼び合う状況だった。

　午後１時から始まったバーベキューは、同４時には終了。ところが、後片付けの時に事件が起きた。酒に酔って寝ていた被害男性に対し、起こそうと思ったのか、からかったのかは不明だが、他の参加者が水をかけると、男性は「なぜ水をかけるのか」と憤慨。相手とトラブルになった。すると、同じく酒に酔っていた増村容疑者が男性に対して腹を立て、ワインの一升瓶から残っていた中身を抜いた後、右前頭部を横から１回殴ったという。

　通報を受けた警察官が事情聴取。被害男性も最初は聴取に応じていたが、途中で不調を訴え、会話も乱れ始めたため、川崎市内の病院に救急搬送された。

　現在は少しずつ回復しているが、対応が遅れれば命にかかわってもおかしくない状況だった。増村容疑者は「そんな大けがとは思っていなかった」と話している。

　◆多摩川河川敷のバーベキュー事情　都心に近く、特に夏はバーベキュー客でにぎわう。しかし、ゴミや騒音などで周辺住民とトラブルになるケースもあったため、川崎市は昨年４月から、同市高津区に専用会場「多摩川緑地バーベキュー広場」を設け有料化。大人５００円の使用料を取るなどして管理に乗り出した。

　東京都狛江市は多摩川河川敷でのバーベキューなどを禁止する市条例を可決、施行している。

　今回の事件場所は、川崎市中原区の東急東横線の鉄橋下付近で、規制区域にはなっていない。

（2012年7月10日06時03分スポーツ報知）