佐藤、和毅との対戦上等！「誰の挑戦でも受ける」…ＷＢＣ世界Ｓフライ級

初防衛戦から一夜明け、自身の活躍を報じる本紙を手にＶサインの佐藤洋太

　プロボクシングＷＢＣ世界スーパーフライ級王者・佐藤洋太（２８）＝協栄＝が、亀田家を迎え撃つ覚悟を決めた。指名挑戦者シルベスター・ロペス（２４）＝フィリピン＝に判定勝ちで初防衛成功から一夜明けた９日、東京・新宿の協栄ジムで会見。偵察に訪れ、佐藤への挑戦を表明したＷＢＣ世界バンタム級４位の亀田和毅（２０）＝亀田＝へ、佐藤陣営の金平桂一郎会長（４６）が対戦のオファーを出すと明言した。

　鬼門の初防衛をクリアしても、佐藤の姿勢は変わらない。顔はほぼ無傷。表情を引き締め、「向こうがやると言うなら、チャンピオンとして誰の挑戦でも受ける気持ちです。自信は結構あります」と和毅を迎え撃つ覚悟を見せた。

金平会長は亀田和に佐藤との対戦オファーを出すと明言

　陣営は王者以上に熱い。試合後、挑戦を表明した和毅が「普通に勝てる」、父・史郎さん（４７）が「おいしい相手」などと佐藤を酷評した言葉の数々に金平会長は不快感を示し、「オファーを出すなら『逃げるな』と言いたい」と逆に挑発。「皆さんも見たがっているようですし、近日中にオファーを出します」と明言した。挑戦者を自由に選べる次戦２度目の防衛戦の有力候補者に和毅の名前を加えた。

　「３兄弟全員が有資格者。誰が挑んできてもいい」とし、和毅に限らず、佐藤の１階級上のＷＢＡ世界バンタム級王者の長男・興毅（２５）、佐藤と同階級の世界ランカーの次男・大毅（２３）の挑戦も視野に入れた。

　Ｖ２戦の別プランとして、１０月頃に故郷の岩手で同郷の前ＷＢＡ世界ミニマム級王者・八重樫東（大橋）の再起戦との同時興行を描いている。亀田戦となれば難交渉が予想され、年末開催になる見通し。和毅は練習拠点のメキシコでの挑戦を希望しているが、金平会長は「日本人同士が海外で試合するメリットが分からない」と早くも難色を示した。

　自宅では３匹の亀を飼育する“カメ好き”の王者。ロペスを変則スタイルで幻惑したが、「奥さんに『パフォーマンスし過ぎ』と怒られ、へこんでます」と浩子夫人（２７）のダメ出しにがっかり。「（交渉は）会長に任せます。夏だし、海に行きたい」と決戦に備え、しばらく拳を休める。