元名古屋市議会議長の諸隈修身(もろくま・しゅうしん)氏(70)の長男が融資の仲介手数料を違法に受け取ったとされる事件で、出資法違反(媒介手数料の制限)の罪に問われた元秘書で長男の公貴(きみたか)被告(40)に対し、名古屋地裁は9日、懲役1年執行猶予3年(求刑懲役1年)の判決を言い渡した。田中良武裁判官は「みえを張って派手な生活をするために、高額な手数料の請求を常習的に繰り返した」と非難した。
判決によると、公貴被告は秘書の立場を利用し、2010年12月、飲食店経営者の依頼で、名古屋市小規模事業金融公社から300万円の融資を受けられるよう仲介し、出資法が定める手数料の上限の5%を超える36万円を受け取るなどした。
公貴被告が手数料について、修身氏が代表を務める「民主党名古屋市天白区支部」の名前で領収書を発行したり、仲介の条件として修身氏への政治献金を求めたりしていたことが判明。この点を検察側に追及され、公貴被告は「父は把握していなかった」と否定していた。