2012.7.8 05:01

大津いじめ、自殺後まで顔写真に穴や落書き

6日の定例会見で、中2男子の自殺問題に関して涙で「再調査」を明言した越直美大津市長 =大津市役所

6日の定例会見で、中2男子の自殺問題に関して涙で「再調査」を明言した越直美大津市長 =大津市役所【拡大】

 大津市で昨年10月、いじめを受けた市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺した問題で、学校が実施したアンケートに「(教室に)貼ってあった男子生徒の写真の顔に、死亡後も、いじめをしたとされる生徒が穴を開けたり、落書きをしたりしていた」などの執拗ないじめの様子に関する記述があったことが7日、関係者への取材で分かった。

 アンケートには、ほかにも「お金を取られていた」と金銭を脅し取っていたことを示唆するものや、自殺した生徒以外の生徒もいじめていたとするものがあった。

 アンケートの自由記述欄には「(男子生徒が)完全にいじめを受けていた」「(生徒が亡くなった原因に)いじめもすごく関わっているのではないか」など、いじめと自殺の関連を指摘する回答もあった。

 アンケートは男子生徒の死後直後の昨年10月に、学校が全校生徒を対象に任意で実施。市教育委員会は記名で回答した生徒を中心に聞き取り調査をした結果、生徒が実際に目撃し、事実確認できた一部内容のみを翌11月に公表。男子生徒がいじめを受けていたことを認めたが、いじめと自殺との因果関係は不明としていた。

 これに同市の越直美市長(37)は6日の定例会見で、不十分な調査であったことを認め涙し、再調査を明言した。

 一方、自殺した生徒の父親(47)が、滋賀県警に被害届を再び提出する意向であることが7日、分かった。父親はこれまでに3回にわたって、「同級生から暴行を受けていた」とする被害届を県警大津署に提出しようとしたが、いずれも受理を拒否されている。

 父親は男子生徒の自殺直後、複数の生徒から聞き取った暴行などの目撃情報などを証拠として昨年10月に2回、同12月に1回、同署を訪れて「被害届を出したい」と相談。同署は「被害者がおらず、刑事事件として立件するのは難しい」と受理を断ったという。

(紙面から)