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ryoko174の混沌日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2011-06-26

被害者信奉ファシズムを抱える日本

日本は「被害者信奉ファシズム」国家です。

これは「被害者」とされる人々に対する批判が封殺され、思考停止状態に陥りやすい特性を指しています。


たとえば、4月に私は下記のような日記を書きましたが、mixiにおいて多くの批判コメントを頂きました。


リスクヘッジ禁止国家:日本

http://d.hatena.ne.jp/ryoko174/20110430/1304165712


私は、いくら被災者だからといっても、住んでいた住宅の現状復帰、ならびに高台の住宅地整備の両方を血税で行うべきとは考えません。津波リスクはかつてから知られており、低地に住んでいた人は自らリスクを選択したと考えるべき。現状復帰までは仕方がないとしても、追加ご褒美まで血税であげるべきではありません。

私は、液状化被害を受けた住宅への補助を行うべきとも考えません。阪神淡路大震災で液状化リスクが広く知られていたにも関わらず、そのリスクを承知で不動産を購入した人だけ救済するのはおかしいです。リスクヘッジをした人間だけが損をすることになってしまう。


これらに対して寄せられた批判は、「あなたは被災者の人たちの気持ちを考えたことがないのですか、人でなし」みたいな感情的な内容です。

しかし、ではその主張通りに「被害者」に対して際限なく血税投入するために増税する段になると、彼らの多くは増税を拒むでしょう。

言行が一致していないのです。公的貢献をしたくない、もしくは普段からほとんどできない状態にあるから、他人事のように無責任に語るのです。

私に言わせれば、「被害者」を神格化して批判を封殺し、適切/不適切を判断できない状態に追いやる被害者信奉ファシズムこそ、ある意味で「被害者」を見下していますし、モラルハザードで社会を傾ける遠因となると考えます。



残念ながら、上記の現象は継続的に観測されていますが、問題視する声は少なく、病根の深さを感じさせます。

たとえば不信任案否決の際には、「復興そっちのけで政治はなにやってるんだ!」という「街の声」が盛んに取り上げられました。

しかし不信任案が提出された段階で、4兆円の一時補正予算は可決済みでした。けれども、被災地の復興において、この金額では不足するのか、不足する場合は具体的にどれだけ足りないのか、はなにも語られませんでした。


コンサート中止で東電に賠償請求へ 原発事故で演奏家ら来日せず

http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/06/24/kiji/K20110624001079700.html


コンサート中止に関してさらっと損害賠償がなされていますが、火事場泥棒に近い印象です。

自粛のような対策にさえ賠償金を支払っていたら、いったいいくら血税が必要になるというのでしょうか。そもそも原発の影響がない西日本開催だったとしても、演奏家らは来日しなかったのでは?

それにコンサートはただでさえ興行収入の不振が続く業界。これから請求される金額については、水増し請求がなされないのか確認する必要があるでしょう。



「被害者」を祭りあげて思考停止するのはやめましょう。それは公的コストの増大と、モラルハザードにつながる。

そして祭りあげる人は、最後まで責任をとって下さい。責任だけ高額納税者に押し付けるのはやめて下さい。

「被害者」を聖域化するのは、被害者自身に対する侮辱でもあると思いますよ。

かばかば 2011/06/26 09:16 ちょっと思うところがあり、久しぶりに「もののけ姫」見ました.

「人生は総合力」ぢゃないですが、総論を無視して各論だけ議論しても無駄なんですがねぇ...本当に
情緒 と 理性 のバランスが難しいです。(カルト vs 科学 と言っても同じです)


愚民:「谷に落ちたものは、いかがします?」
ryoko殿:「隊列を組み直せ。」

かっくいー d(^^)
GIGI, my love <3 ですが、えぼし様に惚れそうになりました (笑)

NaokoNaoko 2011/06/26 12:45 被害者を聖域化するのは被害者地震を侮辱する行為・・・というのに一票。
仙台・福島辺りにたくさんの友人が居ますが、支えあいながら元気にしている様子です。
いつでも可能な範囲で手を差し伸べられるように準備しながら、普通に毎日を送っていようと私は思います。
余談ですが、東電に土下座をさせた福島の年配の男性がプロ市民だという情報もどこかで見かけました。

NaokoNaoko 2011/06/26 12:46 あ、地震じゃなくて自身です(汗)

osaka_suitaosaka_suita 2011/06/26 14:55 趣旨には同意致します。

ただ、線引きが非常に困難を極めそうですよね…
海のほん近くに住んでた人ならともかく、従来の事例から考えて「ここは来ないだろう」と思われてたところの扱いをどうするかとか。
あまりに山側に移動すると、今度は例えば(大津波より遥かに頻度の高いであろう)土砂崩れに巻き込まれる危険性が高まりそうだけれども
そういうのはどう扱うのかとか。

「税負担は求めません。そのかわり、被災時の救済も一切できません。御自分で備えてください」という姿勢の方が、わかりやすく&トータルコストの軽減にもなるのかな?
家屋全壊で一切合切を失った時の生活復旧が困難を極めそうですし、そもそも確実に実現しなさそうな方策ではありますが…

Nick KNick K 2011/06/26 17:25 いつの間にか、被害者保護が、利権に化けてしまうのですよね…

私の故郷の広島がそうで、半世紀前に原爆で街ごと灰燼に帰した上、その後10年以上経っても白血病を発病し沢山の人が苦しみながら亡くなりました。
それらの人を助けるために被爆者保護のルールが出来、それ自体は必要なことだった筈ですが、
いつの間にかそれが既得権益となり、65年経過した今でも、被爆者の子孫で被爆者手帳を持っていれば、
健康状態に関わらず医療費・公共交通機関での優遇が受けられるとか。
自身もその立場である市長が制度に疑問を呈する発言をしたところ、被爆者団体から猛批判を受けたそうです。
どんなに市の財政が厳しくとも、被爆者保護・平和活動関係の予算は聖域化しているとも言いますし。

悲劇のインパクトに負けて一人ひとりが思考停止してしまうと、
状況を固定化してしまい、聖域が出来てしまうという実例かと思いますが、
この事例も、ゆくゆく同じような経緯をたどりそうな気がしますが、
類似事例を再生産するか、違う経過をたどるかは私たち一人ひとりの考え次第なのでしょう。

ryoko174ryoko174 2011/06/28 08:36 >かばさん
もののけ姫、いいですよね〜。私も何度か見ました。

全体観がない状態の議論って、迷子になりやすいですよね。

安易な反原発議論を聞いていると、目眩がすることがあります(^^;

ryoko174ryoko174 2011/06/28 08:37 >Naoko さん
ありがとうございます。

やはりプロ市民が混ざっているのですね(笑)

本当に暇な人たちです。

ryoko174ryoko174 2011/06/28 08:39 >osaka_suita さん
ええ、線引きは確かに難しいです。

せめて次回からは、「安いかわりに万が一の時はほとんど補償されない土地」など、一定の区分はするべきでしょうね。

ryoko174ryoko174 2011/06/28 08:40 >Nick Kさん
貴重な体験談ありがとうございます。

おっしゃる通り、思考停止から聖域化した「被害者」利権は、あちらこちらに見受けられますよね。

今回も同じような流れで進むことを危惧しております。

super8super8 2011/06/28 21:41 この手の感情論が論理的でなければならない政策に影響するのは
恐怖を感じてしまいます。
不動産に関することは特に共感しました。
日本人は、知らないで負ったリスクは保障されるべきだと思う節がありますよね。
ところで、感情論が大多数を占めるのは、日本だけなんでしょうか?

ryoko174ryoko174 2011/06/30 23:02 はじめまして。コメント頂きありがとうございます。

感情論については、他国も似たり寄ったりだとは思いますねぇ

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