大飯原発3号機がフル稼働7月9日 1時6分
およそ1年3か月ぶりに原子炉が起動し発電を開始した、関西電力・大飯原子力発電所3号機は、9日午前1時、原子炉の出力が100%になる「フル稼働」に達しました。
国内で長期間止まった原子炉が「フル稼働」に達したのは、去年3月の東京電力福島第一原発の事故のあと、初めてです。
福井県おおい町にある大飯原発3号機では、およそ1年3か月ぶりに原子炉が起動したあと、7日、発電機の出力が、100%に当たる118万キロワットに達しました。
8日午後には、大量のクラゲが発生し冷却用の海水を十分に取り込むことができず、関西電力は一時、発電機の出力を下げましたが、その後クラゲが減ったため作業を予定通り進めました。
そして9日午前1時、中央制御室で牧野経済産業副大臣やおおい町の時岡忍町長が立ち会うなか、原子炉の出力が100%になる「フル稼働」に達したことが確認されました。
国内で長期間止まった原子炉が「フル稼働」に達したのは、去年3月の福島第一原発の事故のあと初めてで、関西電力は4号機についても、今月25日に「フル稼働」を目指しています。
関西電力管内では、夏の節電が今月2日から始まっていますが、3号機が「フル稼働」に達したことを受けて、政府は10日から、猛暑だったおととしと比べて15%以上という節電の目標を、10%以上に緩和する方針です。
一方、全国のほかの原発48基は運転を止めたままで、安全性を確認する国の手続きなどが進んでいないことから、運転再開の見通しは立っていません。
関電副社長“少しほっとした”
大飯原発3号機で原子炉の出力が100%の「フル稼働」となったことについて、関西電力の豊松秀己副社長は、「フル稼働が達成でき、少しほっとしている。電力を安定的に供給することは今後の原子力の重要性について考えるうえでも重要な一歩になったと思う。フル稼働後も安全を最優先に、安定した運転を続けるべく、細心の注意を払って臨んでいきたい」と話していました。
福井県知事“現実的な議論の一歩へ”
大飯原発3号機で原子炉の出力が100%になる「フル稼働」になったことについて福井県の西川知事は「無事にフル稼働に至った。安全に運転を続けることにより、原子力発電の信頼を回復し、確かなエネルギー源として、現実的な議論を進める一歩となることを期待する」というコメントを出しました。
経産相“4号機の再稼働も順調に”
大飯原子力発電所3号機で原子炉の出力が100%の「フル稼働」に達したことについて、牧野経済産業副大臣は、「およそ1年3か月、停止していた原子炉を起動させて発電できるようになるまでにはどんなことがあるのかと正直、不安だったが、フル稼働ができて、今は本当にほっとしている。関西電力はもとよりメーカーや協力会社、そして何より地元の福井県、おおい町にお礼を申し上げたい」と述べました。
そのうえで4号機について、「ささいなことでも何が起きるかわからない。今後も関わるすべての人間が心と情報を共有し、国民に公開して一つ一つの作業を着実に進めていくよう心がければ4号機の再稼働も順調にいくと思う」と述べました。
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