救命救急センター 救急科
当科の紹介
当センターは全国に234施設ある救命救急センターのひとつで、山梨県唯一の施設です。 救命救急センターとは第3次救急医療の担い手として、おおよそ人口 100万人あたり 1施設、国が認可するものです。 当センターは山梨県民の生命を守る最後の砦であると考え、ひとりでも多くの方の生命を救えるよう日夜努力してまいります。
救命救急センター救急科の救急専門医が核となって救命救急センターが運営されています。 救命救急センターでは 24時間体制で第3次救急医療を提供しています。 第3次救急医療とは、一般の病院、診療科では救命の難しい超重症の救急患者様に対応する救急医療です。 具体的には、突然倒れて意識のない方、全身の大やけど、毒物を飲んでしまった方、交通事故で内臓破裂が疑われる方といった生命にかかわる状態の患者様が対象になり、原則として救急車で搬送されます。 時間外診療を行うための施設(初期・第2次救急医療施設)ではないことをご理解ください。
時間外診療をご希望の方につきましては、県内地域ごとに救急当番病院が毎日決まっています。 小児の時間外救急診療については山梨県小児救急医療センターが運営されています。 山梨県救急医療情報システム「やまなし医療ネット」では、今診てもらえる医療機関を地域診療科別にご案内しております。 甲府市医師会救急医療センター(TEL 055-226-3399)、県救急情報センター(TEL 055-224-4199)でも、その日の当番病院をご案内しております。どうぞ、ご利用下さい。
当院も甲府・中巨摩地域の2次救急当番病院として 4日に 1回の時間外診療を行っています。 当番病院にあたっている日の夜間は、責任をもって時間外診療を行いますが、当番でない日にあっては、その日の当番病院での診療をお願いすることになります。
当院にかかりつけで、他院での時間外診療が難しい方につきましては、かかりつけの科担当の当直医が対応させていただきます。 当院にご連絡いただき、かかりつけの科名とお困りの症状をお伝え下さい。病状により、救急診療のために来院していただきます。
診療実績
平成 22年 1月〜12月の来院患者様は 1,140例で、休祭日を含めて 1日平均 約3名の患者様が来院されています。 意外と少ないように感じられるかもしれませんが、いずれも生命にかかわる重症の方ばかりですので、かなり多忙な緊張感あふれた診療が毎日行われています。
病院にいらっしゃる前に心臓が止まってしまった病院外心肺停止症例は300例で、心臓マッサージ、人工呼吸、強心剤投与などの心肺蘇生術、さらには人工心肺装着19例など高度蘇生処置を実施し、115名の方が蘇生に成功し入院されています。 また、心蘇生後に脳蘇生のために22名の方には脳低体温療法を行っています。36名の方が生存退院されていますが、このうち20名の方は意識も回復し元通りの生活に復帰されています。たとえ心臓が止まっていても、あきらめない救急医療を実施しています。
交通事故等で大けがをされた重症外傷症例(ISS≧16)は 162例(来院時心肺停止例は除く)です。 全身精密検査の上、来院直後に開胸手術・開腹手術・血管造影・動脈塞栓術を実施するなど、救命につくしていますが 34名の方が死亡されました。
重症熱傷(やけど)症例は 15例ですが、広範囲熱傷 1名の方(熱傷面積 71%) が死亡しました。 熱傷治療専用の空気流動ベッドを備えた特別な個室で治療します。
毒物を飲んだり吸ってしまった急性中毒症例は 86例ですが、農薬(パラコート)中毒の1名の方が死亡しました。 自殺未遂の方が多いのですが、生命をお救いした後は、精神科で精神科治療を行います。
当科を経由した脳卒中(脳血管障害)症例は 42例ですが、診断後の治療は脳神経外科、神経内科で行っています。
当科を経由した急性心筋梗塞を含む急性心疾患症例は 28例ですが、当センターでの初療後は循環器内科で緊急心臓カテーテル検査などの専門治療を行います。
当科を経由した指肢切断症例は 4例でした。 整形外科、形成外科により緊急再接着手術が検討、実施されました。
施設紹介
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初療室
救急車でいらした患者様を最初に診療する部屋です。 2名同時に緊急手術もできます。 レントゲン撮影などの検査もこの室内で可能です。 |
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救急専用集中治療室
初療室で救命処置が終わった患者様が入院する部屋です。 初療室と隣接した16床の特殊病棟です。 |
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屋上へリポート
山梨県消防防災ヘリ、県警ヘリなどで搬送される救急患者様の玄関が屋上ヘリポートです。 屋上にはヘリポートに隣接して緊急処置室も設けられています。 1年間(2010年)に 80名のヘリコプター搬送を受け入れました。 2012年4月より当院を基地病院とするドクターヘリが運用されています。 |
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ドクターカー
2010年8月18日よりドクターカーの運用を開始しました。県内全域の重症救急患者様を対象に休日も含めて毎日運用されています。 医師が搭乗し、病院に向かってくる救急車と接触することにより、医療の開始時間を早め救命成績の向上をはかります。 |
スタッフ紹介
医師 | 専門分野/出身大学 | 資格・所属学会等 |
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主任医長 岩 瀬 史 明 いわせ ふみあき |
救急医学、一般外科、プライマリーケア |
日本救急医学会指導医 救急科専門医 外傷専門医 BLSインストラクター ICLSディレクター ITLSインストラクター JATECインストラクター JPTECインストラクター |
自治医科大学 (平成3年卒) |
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医長 小 林 辰 輔 こばやし たつほ |
救急医学、外傷外科、集中治療 |
日本救急医学会指導医 救急科専門医 外科専門医 ICLSインストラクター JATECインストラクター JPTECインストラクター |
熊本大学 (平成7年卒) |
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医長 宮 崎 善 史 みやざき よしぶみ |
救急医学、救急免疫学、外傷外科 |
救急科専門医 ICLSインストラクター JATECインストラクター JPTECインストラクター |
山梨医科大学 (平成10年卒) |
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医長 牧 真 彦 まき まさひこ |
救急医学 |
救急科専門医 JATECプロバイダー JPTECプロバイダー |
藤田保健衛生大学 (平成10年卒) |
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医師 石 丸 直 樹 いしまる なおき |
救急医学 |
救急科専門医 |
東邦大学 (平成14年卒) |
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専修医 萩 原 一 樹 はぎわら かずき |
救急医学 |
ICLSインストラクター JATECプロバイダー JPTECプロバイダー |
山梨大学 (平成21年卒) |
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専修医 瀧 口 徹 たきぐち とおる |
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