忠清北道北部地域にこのほど降った集中豪雨により、忠清北道丹陽郡に建設中の丹陽堰(せき)で臨時堤防が流失するという被害があり、工事の難航が予想されている。
韓国水資源公社と丹陽郡が8日に明らかにしたところによると、今月5日から江原道寧越郡と丹陽郡に降った集中豪雨で南漢江が増水、6日午後3時ごろに丹陽郡内の丹陽堰工事現場に設置されていた臨時堤防約280メートルが壊れた。臨時堤防とは、堰の建設中に水が入らないよう一時的に水の流れを止める堤防やダムのことだ。今回崩壊した臨時堤防は総延長727メートルで、南漢江の水を「コ」の字型に流すもの。昨年6月に着工し、1年後の先月完工した。
丹陽堰工事は、国土海洋部(省に相当)が560億ウォン(約40億円)をかけて推進、韓国水資源公社が施行を担当し、三扶土建が施工している。韓国水資源公社と三扶土建は臨時堤防が流失した直後、洪水被害非常対策班を設置し、現場の水がなくなる来週から復旧作業に入ることにした。
水資源公社現場事務所の関係者は「臨時堤防は毎秒932トンの水の流入に耐えられるよう設計されていたが、忠州湖上流に192ミリという集中豪雨が降ったため、6日昼に水が毎秒5500トン流入し、決壊した」と説明した。そして、「臨時堤防工事には100億ウォン(約7億円)が投じられた。臨時堤防流失事故は施工会社が責任を取るべき部分なので、政府が追加で予算投入する事案ではない」と説明した。しかし、集中豪雨に備えて設計されているため、手抜き工事疑惑を持たれるのは避けられない見通しだ。
臨時堤防流失により丹陽堰工事に支障が出るのも避けられない。流失部分が少なくないうえ、設計からやり直す必要があるかもしれないためだ。韓国水資源公社は当初、今年中に臨時堤防工事を終え、来年から本工事に入り、2014年末までに堰の工事を終わらせる予定だった。