「大統領府行政官に金塊渡した」 未来貯蓄銀会長が供述

営業停止処分を免れるため請託か

 貯蓄銀行不正融資合同捜査団(崔運植〈チェ・ウンシク〉団長)は、未来貯蓄銀行のキム・チャンギョン会長(56)=起訴済み=から「営業停止処分を阻止するため、大統領府のキム・セウク行政官(58)に対し、1キロの金塊二つ(時価約1億2000万ウォン〈現在のレートで約840万円、以下同じ〉相当)を渡した」との供述を得たことが、8日までに分かった。

 検察は昨年9月、貯蓄銀行を対象とした2回目の構造調整の際、未来貯蓄銀行がハナ金融グループの子会社「ハナキャピタル」から145億ウォン(約10億1000万円)の出資(発行済み株式の9.93%)を受け、営業停止処分を免れる過程で、キム・セウク行政官がキム・チャンギョン会長に対し、ハナ金融持ち株会社の金勝猷(キム・スンユ)会長(69)=当時=を紹介したのではないかとみて、捜査を進めているという。

 かつてソウル市職員だったキム・セウク氏は、2007年の大統領選挙当時、李明博(イ・ミョンバク)陣営に関与し、大統領府行政官になった後は、総務企画担当官室の本館管理部長を務めていたが、今年5月にキム・チャンギョン会長との不適切な関係が明るみに出たため、自宅待機を命じられていた。一方、キム・チャンギョン会長は09年、兄が運営していた京畿道竜仁市内の病院が経営難のため法定管理(日本の会社更生法適用に相当)を申請したのを受け、この病院を買い取った後、キム・セウク行政官の兄に転売するという方法で利益を得ていたことが分かった。なお、本紙はキム・セウク行政官の言い分を聞くため、8日深夜まで連絡を試みたが、結局連絡は付かなかった。

 一方、ソウル中央地裁は、約4億ウォン(約2800万円)の違法な政治資金を受け取った容疑で、検察が今月6日に事前拘束令状(容疑者の身柄を確保できていない状態で捜査機関が裁判所に請求する令状)を請求した、与党セヌリ党の鄭斗彦(チョン・ドゥオン)議員に対する令状の審査を行うため、逮捕許諾請求書を検察に送付した、と8日発表した。法務部(省に相当)は9日、国会に対し逮捕許諾請求書を提出する方針だ。

李明振(イ・ミョンジン)記者
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