死亡者急増、韓国社会への影響は

 統計庁の人口推計見通し(2010年)によると、韓国の向こう40年間の死亡者数は1896万人と、過去40年間(約1000万人)の2倍に増えると見込まれる。この推計通りに進めば、社会的にさまざまな問題が噴出することは避けられない。

 まず、火葬場や埋葬地が不足する。年間死亡者数が25万人の現在でも、首都圏などでは火葬場や埋葬地が不足している。10年末現在、火葬施設は全国に51カ所あり、全国で新たに11カ所が新築・増築中だが、慢性的な火葬施設不足から抜け出せずにいる。火葬率は2000年の33.7%から10年には67.5%と大幅に上昇を続けている一方、地元での火葬場建設に反対する住民が多く、施設をなかなか増やせないのが現状だ。

 だが、50年以降は年間死亡者数が現在の3倍に当たる約75万人に急増すると見込まれ、火葬場の不足がさらに深刻な問題になる可能性もある。保健福祉部(省に相当)老人支援課のチェ・ヨンホ課長は「1月にはソウル追慕公園(ソウル市瑞草区)が完工したほか、9月ごろに竜山区の火葬場がオープンすれば、首都圏の火葬場不足もある程度は解消されるだろう」と話している。

 韓国人が希望する墓地の場所は、個人・家族の所有地(61.7%)、一族の所有地(20.8%)、民間法人の墓地(11.7%)、公営墓地(5.8%)などだ。これに対し、高麗大学のピョン・ウヒョク教授は「埋葬地が不足しているため、今後は自然葬(火葬した遺骨を樹木や芝の下に埋める埋葬方法)や散骨を国民に促していく必要があるだろう」と指摘した。

キム・ミンチョル記者
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