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女川魚市場、復旧急ピッチ 最盛期の秋へ手応え

完成した自動製氷施設(右の高い建物)と女川魚市場のテント式の仮設荷さばき場(左端)

 東日本大震災で壊滅的な被害を受けた宮城県女川町の女川魚市場で、水揚げに対応する施設の整備が着々と進んでいる。冷凍カツオ水揚げに備えた仮設の荷さばき場は2日に完成。敷地内に女川魚市場買受人協同組合が建設した自動製氷施設は、10日に稼働する。

 仮設荷さばき場はテント式で広さ1300平方メートル、高さ4.2メートル。町が水産庁の補助を受け、魚市場仮設事務所などが入るプレハブ棟近くの岸壁に整備した。建設中のテント式倉庫と合わせた総工費は約4億6000万円。
 近く始まる冷凍カツオの水揚げは1日当たり200〜300トンの見込み。従来の水揚げ岸壁ではサイズごとに仕分けする選別機などを配置するのに手狭なことから、急ピッチで荷さばき場を設けた。
 製氷施設は3階建てで、延べ床面積約700平方メートル。3階で作った氷を2階で貯蔵する。吹き抜けの1階はトラックが出入りできる構造で、2階から落ちてくる氷を荷台で受ける仕組み。建物の高さは23メートルで、津波避難ビルの機能も備える。
 製氷能力は1日当たり50トン。震災で被災し昨年9月に一部再開した製氷施設と合わせると、震災前とほぼ同じ日産100トンになる。総工費は約3億8000万円で、国のグループ化補助金で建設した。
 魚市場近くでは、買受人組合が中東カタールの支援を受け、貯蔵能力約6000トンの冷凍施設を建設している。サンマ漁が本格化する10月の完成を目指している。
 組合の高橋孝信理事長は「1年で最も水揚げが活気づく秋に向け、徐々に設備が整ってきた。水産加工会社の復興が遅れていることは気掛かりだが、製氷施設や冷凍施設の完成をばねに女川の水産業を再生したい」と話している。


2012年07月08日日曜日


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