宮城県名取市長選が8日、投開票され、無所属で現職の佐々木一十郎(いそお)氏(62)が、無所属新顔の自然保護団体代表、大橋信彦氏(68)を破り、3選を果たした。当日有権者数は5万6082人、投票率は40.00%で、前回2008年の51.93%を大幅に下回り、過去最低だった。
東日本大震災で大きな被害を受けた沿岸部の再建策やまちづくりが争点となった。閖上地区では、地盤をかさ上げするなどして現地再建する市の計画に対し、一部の住民が「実際に津波を見た住民には、安心できるものではない」などと反発。佐々木氏は、市の計画を基本に、居住地域を内陸側に広げて「微修正」する考えを提示。2期8年の実績や、震災対応で陣頭指揮をとった経験などを訴え、支持を拡大した。
大橋氏は、「被災者が希望する場所に災害公営住宅を建てる」として、選択肢を考えると主張したが、知名度不足が響いた。