関西電力などによる節電要請開始から1週間が過ぎた。気温がそれほど高くなかったことなどから需要は先週段階の週間予想を大きく下回った。電力の使用率が6日に一時90%を超え、需給が「やや厳しい」ことを示す“黄信号”が今夏初めてともったが、一部の火力発電所を計画的に止めた上でのこと。実際の供給力には今のところ余裕があり、当面は安定した需給状況が続きそうだ。
2~6日の最大電力需要は2053万~2148万キロワット。週間予想では2150万~2240万キロワットと見ていたが、実際はおおよそ50万~200万キロワットほど少なかった。
予想よりも気温が低かった日もあるが、2日や4日は30度前後まで高くなった。それでも需要は2100万キロワット未満にとどまり、15%で要請した節電の取り組みが一定の効果を上げているもよう。関電も「気温と比較してもかなり需要が落ちている印象」(お客さま本部営業企画部門)という。
ただ使用率(供給力に占める最大需要の比率)を見ると後半は徐々に上昇。6日は91%まで上がり、今夏の節電期間としては初めて需給状況が「やや厳しい」ことを示す注意信号がともった。
要因の一つは関電がコストのかかる石油火力発電所を数基止めていることだ。当初は今週は2基を止める予定だったが、安定した需給状況を踏まえて徐々に停止数を拡大。6日は6基の石油火力を止めた。6基の発電量は約300万キロワットで、原発3基分に相当する。
計画的に止めている石油火力はいつでも再稼働できるが、日々の供給力からは差し引かれる。結果として使用率は高めの数字になってしまうが、潜在的な供給力にはかなりの余裕がある。トラブルで停止している液化天然ガス(LNG)火力の姫路第2発電所4号機(兵庫県姫路市、出力45万キロワット)も1週間ほどで復旧する見通し。
さらに9日未明にも大飯原発3号機(福井県おおい町)がフル稼働すれば、118万キロワットの供給力が上積みされる。
関電が6日発表した9~13日の予想によると需要は2080万~2170万キロワット。対して供給力は大飯原発3号機のフル稼働も織り込んで2400万キロワット台を確保できるとしている。電力の使用率は85~88%で、需給状況は「安定」との見通しだ。しかも、この期間は石油火力を7基停止する予定。約340万キロワットもの余力を残している。
ただ、油断はできない。気温が上がって需要が急増する梅雨明けまでに大飯原発4号機(出力118万キロワット)のフル稼働が間に合わない可能性があるからだ。現状ではフル稼働は最短でも25日。近畿地方の梅雨明けは例年20日前後のため、この期間を乗り切るまでは、安心できそうにない。
関西電力、LNG
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