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【ベテラン記者のデイリーコラム・鹿間孝一のなにわ逍遙】夢の「大阪五輪」、北京に“都市格”で敗れた
2012.6.30 16:30
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ところで、2004年のアテネ大会を取材して、本当の敗因がわかったような気がした。
アテネは都市の規模からすると、大阪よりはるかに小さい。近代的な高層ビルも少ないし、地下鉄をはじめ市内の交通網は不便だ。
しかしながら、歴史を感じさせる建物が並び、なにより古代オリンピック発祥の地であることは世界中の誰もが知っている。
要するに、大阪と比較するとオリンピックというイベントの舞台としては「格」が上なのだ。そう考えると、北京もロンドンも納得できる。
2008年の五輪開催地が北京に決定したとき、イラストレーターの山藤章二さんがこう書いていた。
「大阪には悪いが、決まらなくてよかった。ひとたびオリンピックが来ると、都市の様相が一変して大阪が大阪でなくなるからだ。あの町はやっぱり、うごく蟹の看板とくいだおれのメガネ人形が似合う。そして最大のイベントはタイガースの優勝が、身丈に合う町なのである」
残念ながら、山藤さんに賛同せざるを得ない。
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