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【ベテラン記者のデイリーコラム・鹿間孝一のなにわ逍遙】夢の「大阪五輪」、北京に“都市格”で敗れた
2012.6.30 16:30
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招致活動に53億円の巨費を注ぎ込んで、自信満々で2001年7月にモスクワで開かれたIOC(国際オリンピック委員会)総会に臨んだ。
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結果は北京に惨敗する。
五輪招致は国家レベルの外交である。大阪市が主導した結果、JOCとも足並みがそろわず、もとより国の動きも鈍かった。これでは国を挙げての中国に勝てるはずがない。
敗因に上げられるのがIOC委員による立候補都市の視察である。大阪市の苦しい財政事情に「財政的な裏付けがない」と厳しく採点され、建設予定地や既存施設を案内した際に渋滞に巻き込まれ「輸送がスムーズに行われるか疑問」。さらに自信を持っていた警備も「海に囲まれた人工島の選手村では、海上からのテロが予想され安全性に問題がある」とクレームがついた。
後の祭りだが、財政難は開催が決まれば当然、国が支援するし、視察の時間帯はわかっているのだから、交通規制をしておけば渋滞に巻き込まれることはなかった。警備に関しては「たら」「れば」の言いがかりにすぎない。
裏でロビー活動もしたはずだが、大阪の得票は6票なのに、「大阪に投票したのに残念」とコメントする委員がそれ以上いたというお粗末さだった。
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