立教大生殺害:父親が「捜査終結」要望…時効撤廃は不平等
毎日新聞 2012年04月16日 11時38分(最終更新 04月16日 12時48分)
発生から16年となるJR池袋駅の立教大生殺害事件で、死亡した小林悟さん(当時21歳)の父邦三郎さん(66)=埼玉県春日部市=が16日、警察庁に捜査打ち切りを求める要望書を提出した。遺族として、今も犯人が捕まらない無念の思いは変わらない。ただ、2010年の「時効撤廃」に関して妥当性に悩み、他の事件捜査の負担になってはいけないと、“異例”の申し出を決めた。
警察庁は、邦三郎さんの意向を受け、毎年4月10日に期限が切れる公費懸賞金(最高300万円)の更新を今回しなかった。打ち切り要望について、警視庁捜査1課は「遺族の思いに関わらず捜査は継続する」としている。
事件は96年4月11日に発生。昨年4月に時効を迎えるはずだったが、10年4月に施行された改正刑事訴訟法で殺人罪などの時効が撤廃され、悟さんの事件にも適用された。
邦三郎さんは時効撤廃直後から「法改正前に発生した息子の事件にまでさかのぼって適用するのは、法の平等に反するのでは」と語っていた。
16日は悟さんの命日。警察庁を訪れた邦三郎さんは「断腸の思いだが、遺族としてけじめをつけた」と語った。【小泉大士、松本惇】