俺の女戦士アキレスは、再び突撃する。
向かう先は、丘の上の廃墟と化した教会。
待ちかまえるのは近代兵器で武装したゴブリンたち。
教会の2階の窓からは、ゴブリンのスナイパー。
バレットM82、というスナイパーライフルで女戦士アキレスを狙撃する。
だが、命中はしない。
ここまでは、前回と同じとおり!
問題は、この先・・・ 教会までの距離20メートル地点。
星羅は俺に話す。
「教会の入り口から、ゴブリンAが出てくるわ。
CZ75でアキレスを攻撃。」
チェコ製のハンドガンを持った、ゴブリンAが出現する!
ここだッ!
俺はゲームマスター、星羅に宣告する。
「ちょっと待て! ゴブリンAより女戦士アキレスの敏捷度が高い! 先制攻撃はこちらがもらう!」
星羅は、
怪訝な顔で話す。
「何を言ってるの? ケンちゃん、ゴブリンAまでの距離は20メートルあるのよ。 女戦士アキレスの剣は届かないわよ。」
俺は、冷静に反論する。
「いや、届く! 女戦士アキレスはゴブリンAに剣を投げつけるッ! 投剣だッ!」
「何を言ってるの?」
俺は少し笑うと、ルールブックのページを開く。
「このゲームでは、戦士は武器を投げつけて攻撃できるルールがある。」
ふんッ! 星羅は鼻息を鳴らすと、俺に語る。
「いいけど、判定値は高いわよ。」
だが、ここに賭けるしかないッ!
俺は2つの赤いダイスを左手に、握りしめ、叫びながら振るッ!
「いけぇーッ!」
ダイスの目は・・・・・・
6と6のゾロ目、つまりこれは自動的攻撃命中!
女戦士アキレスの投げつけた剣は、見事にゴブリンAに突き刺さった!
そして、ダメージ判定! ダイスをもう一度振る。
「よし! ゴブリンAに11ポイントのダメージだ。」
星羅は不機嫌な顔で答える。
「ゴブリンAは死亡したわ・・・・・・。」
まずは、1匹撃破。
しかも、まだ無傷だ。
あと、教会の中には、1階にゴブリンBとC、2階にはゴブリンDが最低でもいる訳だが。
俺は星羅に尋ねる。
「ここは、廃墟と化しているが、もともと教会だったんだろう?」
「ええ、そうだけど。」
「じゃあ、必要は無いな!」
「何が?」
「お祈りをする時間がさ。」
「そうね。 さあ、中に早く入りなさい!
早く、
早く。」
彼女はニタニタと笑う。
1匹しとめたとはいえ、数の上ではゴブリンの方が有利だ。
「その前に武器を拾わないとね。」
俺は、素っ気なく答える。
「そうね、女戦士アキレスの剣はゴブリンAに突き刺さったままだわ。」
「違うよ! 拾うのは、剣じゃない!」
「えッ!」
ゲームマスター、星羅は少し戸惑いを見せる。
「俺が拾うのは、
CZ75。 ゴブリンAが持っていたやつだよ。」
「ああッ!」
星羅は驚きの声を上げる。
「ケンちゃん、あなた・・・・・・ まさか?」
「そうだよ、そのまさかだよ! ゴブリンに使えるんだ、当然人間にも撃てるはずだ。」
俺の女戦士アキレスは右手にハンドガン、
CZ75を装備する。
「もちろん、うかつに教会の中には入らない! 慎重に行くぜッ!」
教会の入り口の影から、女戦士アキレスは発砲する!
BANG! 乾いた銃声が鳴り響く! ロックンロールだ!
ゴブリンBは倒れた。
ゴブリンCが発砲するが、地の利はこちらが取っている。
アキレスには命中しない。
女戦士アキレスは、ゴブリンCに銃口を向ける!
BANG! 再び、乾いた銃声が鳴り響く!
ガン・パレード! デス・ペラード!
ゴブリンCも地面に倒れてゆく。
女戦士アキレスは、ついに教会の1階エリアを制圧した。
「さてと、残りのゴブリンたちは2階かな。」
アキレスは、ゴブリンBとCが所持していた、
CZ75を拾う。
弾薬の補給もオッケー!
女戦士アキレスは、教会の2階の階段を慎重に上がっていく。
あと、何匹のゴブリンちゃん達がいるのかな?