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1話完結方式は、(めんどくさいので)中止しました。
Lv1.0 ウォッチャー

 俺はバスに乗った。

 俺の彼女、赤城あかぎ 星羅せいらの家の場所を、俺は知らない。

 もちろん、遊びに行くのも初めてだ。

 俺は星羅から指定されていたバス停で降りる。

 たぶん、ここで待ち合わせするはずなのだが・・・・・・

 周囲を見回しても、誰もいない。

 携帯の着信音が鳴る。

 俺は携帯を手に取った、星羅からメールが届いたようだ。


   件名:ケンちゃんへ
   ------------------------

   バス停を降りたら、目の前の信号交差点を渡って

   北の方角へ、500メートル進んで。


 何だ?このメールは・・・・・・

 とりあえず、メールの指示にしたがって俺は歩く。

 500メートルくらい歩いたのだろうか。

 また、携帯の着信音が鳴る。

 星羅からメールだ。


   件名:Reケンちゃんへ
   ------------------------

   次のコンビニの角を左へ曲がって。

   300メートル進んで。


 メールのとおり、目の前にコンビニエンスストアが見える。

 ひょっとして、メールで俺を家まで誘導する気か。

 何て女だ! 普通は近くまで迎えに来るのが常識だろう。

 しかし、これはあの女からの挑戦かもしれない。

 きっと、試合ゲームはもう始まっているのだ。


 先日、星羅から1冊の本を手渡された。

 本のタイトルは、「ソード・アンド・ワールドRPG ルールブック」

 テーブルトークRPGという、ゲームのルールが記載された本。

 まるで教科書のように、ゲームのルールが詳細に書かれている。

 よく分からない固有名詞が、いっぱい出てくる。

 フォーセなんとか大陸とか、オラなんとかの街とか・・・・・・

 まあ、要約すると・・・・・・中世のヨーロッパ風の世界を舞台にした世界。

 剣と、魔法と、ドラゴンなどがでてくるオーソドックスなRPGだ。

 コンピュータを使わずに、人間同士で会話してゲームする。

 随分と、アナログなゲームだ。

 星羅は、俺とこのゲームをやりたいらしい。

 正直言って、めんどくさい。

 こんな訳の分からないルールブックを読むより、参考書でも読んだほうがマシだ。

 しかし、ゲームと聴いたからには負けるわけにはいかない。

 これは、あの女に雪辱を果たす絶好の機会チャンス

 俺は星羅の挑戦を受ける事にしたのだ。


 携帯の着信が鳴る。


   件名:Reケンちゃんへ
   ------------------------

   次の郵便ポストの角を右へ曲がって。

   200メートル進んで。


 次々と星羅から、指示のメールが届く。

 辺りは、いつの間にか高級住宅街となっていた。

 何か、おかしい・・・・・・

 何か、違和感を感じる・・・・・・

 このメールの指示は、あまりにも的確だ。

 まるで俺がどこにいるのか、分かってるかのごとくナビされている。

 まるで、見られているかのように・・・・・・

 俺は、はっと背後を振り向く。

 誰もいない・・・・・・

 気のせいか。

 
 いや、何か見える。

 電柱の影に、赤い服・・・・・・

 挿絵(By みてみん)

 彼女だ、星羅が電柱の影から俺を見つめていた。

 顔は笑っているが、凍りつくような視線だ。

 星羅は俺に近づくと、笑顔で声をかけた。

 「もう、けんちゃん気付くの遅いわよ。」

 何て恐ろしい女だ、俺の後をずっとつけて来たのか。

 俺は平静を装いながらも、返事をする。

 「何だ、バス停からずっと尾行されたのか、やられたよ。」

 星羅は、うふふと笑いながら話す。

 「違うわよ、バス停からじゃないわ。」

 「えッ!」

 「健ちゃんが家を出たときから、ずっと見てたのよ。」

 異常だ! 異常すぎるぞ!

 額から汗が出る。

 「さあ、行きましょ! 私の家、もうすぐそこだから。」

 「あ、・・・・・・ああ。」

 俺は動揺を隠しつつ、彼女と一緒に歩いていった。

 何だか、すごく嫌な予感がするぜ。



 
あるドラマを見て、ヒロインの登場シーンをパクリました。

今度、映画になるみたいですね。

カガさん。
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