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過大評価は歓迎 韓国でまた「日本軍事大国化」論

産経新聞 7月7日(土)10時38分配信

【緯度経度】ソウル・黒田勝弘

 韓国がまた日本を「軍事大国へ!」などといって大騒ぎしている。韓国メディアにとっては昔から繰り返し言い続けてきた“定番”の反日テーマだが、ただ皮肉にいえば、日本がなかなか期待通り(?)に軍事大国にならないのでじれているようにも見える。

 今回は「日韓(軍事)秘密情報保護協定」の締結延期をはさんで、日本で原子力基本法改定や「集団的自衛権」問題が話題になったため、いつになく「日本軍国主義復活!」調で非難が盛り上がっている。

 とくに秘密情報保護協定は「日本との初の軍事協定」だったため関心を集めた。軍事交流ではきわめて初歩的な取り決めで日韓ともすでに各国と締結しているが、事前の“雑音”を避けるため交渉は静かに進められてきた。

 ところがこれが韓国では“密室決定”“密室外交”などとマスコミや政界から激しく非難されている。慎重さが裏目に出たかたちだ。政府非難は高まる一方で完全に“政争化”してしまった。

 相手が日本だから批判、非難は勢いづく。「いまだ過去を反省していない日本と安易に軍事協定を結んでいいのか」というわけだ。当初は「国会や国民に十分な説明がなかった」という手続き論的批判だったが、今や協定そのものへの批判に広がっている。

 その結果、「日韓保護条約などなしくずし的に日本の侵略を許し国を奪われた100年前の歴史を思い出す」といった話まで登場し、いつもの「日本警戒論」がしきりに語られている。

 筆者もテレビ討論で追及(?)されたが「韓国が100年前の韓国と同じなどとは国際社会の誰も信じない」「協定は日韓対等のもので警戒にはあたらない」といくら反論しても聞かない。

 最後は「独島(日本名・竹島)を自分のモノといっている日本は信用できない」と、韓国側論者は領土問題から慰安婦問題まで持ち出し日本非難を繰り返すのだった。

 反日論が出てくると政府は動けない。政府内では「同じく非難されるのなら締結を強行して非難される方がよかった」という声も聞かれるが、もう遅い。

 原子力基本法問題は日本の一部での“憂慮”にマスコミや政治が過剰反応し「日本が核武装へ!」と大々的に非難している。日本では「原子力安全は日本の安全保障にもつながる問題。核武装とはつながらない」で一段落しているのに韓国では収まらない。

 先のテレビ討論でもそうだが「日本はその気になればいつでも核武装する」というのだ。これも「能力と国家意思は別。国際的孤立や米国との対立を無視しての核武装はありえない」といくら説明しても納得しない。

 そして今度は集団的自衛権問題。6日の各紙は社説を含め「核武装の可能性に次いで今度は他国へ積極的武力介入」「本性あらわ」「韓国の安全保障に深刻な脅威」…などと一斉に日本非難を展開している。

 日本核武装論をはじめ日本に対する過大評価と過剰警戒は「日本を甘く見るな」論だからありがたくもあるが、その分だけ北朝鮮や中国の軍事的脅威への関心は当然おろそかになる。

 韓国は日本相手となると相変わらず視野が狭くなる。日ごろの自信満々をよそに冷静でおれない。いまだ「日本離れ」は成らずということか。

最終更新:7月7日(土)10時38分

産経新聞

 

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