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日本の「いじめ」(大津市の「いじめ」事件より)

2012年07月07日 22:11

今日は中国ネタではなく、方向を変えて、大津市のいじめ事件について少し。

 この事件については、別に私がどうこう言うまでもなく、既に多くの方がいろいろなことを言われているので、スルーしようかとも思っていたのですが、少し予想していなかった展開も出てきたので、何か書いてみようと思った次第です。


1 「いじめ」の起こる原因

 日本で「いじめ」の起こる原因ですが、私は同調性の強さがその最大の原因かと思っております。「空気を読む」という言葉に現れている様に、山本七平氏の提唱した場を支配する「空気」ができると誰もそれに逆らえなくなってなってしまう不可思議な現象と考えています。

今日は中国ネタではなく、方向を変えて、大津市のいじめ事件について少し。

 この事件については、別に私がどうこう言うまでもなく、既に多くの方がいろいろなことを言われているので、スルーしようかとも思っていたのですが、少し予想していなかった展開も出てきたので、何か書いてみようと思った次第です。


1 「いじめ」の起こる原因

 日本で「いじめ」の起こる原因ですが、私は同調性の強さがその最大の原因かと思っております。「空気を読む」という言葉に現れている様に、山本七平氏の提唱した場を支配する「空気」ができると誰もそれに逆らえなくなってなってしまう不可思議な現象と考えています。

 つまり、一旦誰かを「いじめ」の対象にするという「空気」ができると、クラスで誰も逆らえなくなってしまうわけです。怖いのは「空気」にしかすぎないので、いじめられる原因が特にはっきりしていいことです。

 報道等によると、教師は「やりすぎるな」と言っていたということですが、これも本来、「いじめ」を排除すべき教師までもが、こうした「空気」に呑み込まれてしまっていたということを意味するのかと思います。


2 学校・教育委員会の対応

 学校、教育委員会の対応ですが、これもある意味上記の「空気」の延長のようなものかと思います。報道などから私の理解するところでは、学校側で調査しなかった最大の原因は「加害者側の人権」に配慮した結果と考えます。

 つまり、加害者側(保護者)の声が大きく、一旦こうした「加害者側の人権」を守るべきという「空気」ができてしまうと、それに逆らえなくなり、長い物に巻かれろとなったのではないでしょうか。

 怖いのは一旦こうした決定がなされてしまうと、それを組織が今後も守ろうとすることです。つまり、学校側は一旦決定したものを変更することを拒むが故に、それに沿った決定事項を繰り返し行うこととなります(いじめを認めたがらなかったり、自殺との因果関係を否定したりする)。

 そして、教育委員会は学校の教員との人事交流を行っていることが典型的な例であるように、所詮学校組織の一部で、仲間である教師(学校)をかばうことを第一に考え、それに沿った決定を出すこととなります。

 そういう意味で、学校側がだした「いじめ」に対する否定的な見解は、二重の意味で好都合であったはずです。


3 加害者に対する復讐

 それと今回、私の予想外だったのが、加害者側の名前がマスコミ報道のミス(?)から露呈してしまったことです。

 顔写真の特定から親の職業や自宅の住所、電話番号までネットでは晒されているわけで、かなりひどい状態となっているようです。

 「いじめ」は許されざる行為で、別に加害者側をかばい立てするつもりはありませんが、これを見てふと思ったのが、いじめられている生徒が自分の命を犠牲にして、ネットを使ってこうした方法で加害者側に復讐を考えたら「嫌だな」ということでした。

 高橋ツトム氏の漫画で『スカイハイ』という作品があり、殺人等で死亡したものは、「死を受け入れて、天国で再生を待つか。」 「死を受け入れず、現世で彷徨い続けるか。」 「現世の人間を1人呪い殺し、地獄へ逝くか。」の3つのうちからどれか選択できるというものがありました。


4 逃走

 いろいろ考えさせられる作品でした。ただ、死んでしまえば人間おしまいです。仮に復讐できてもそれで死んだ者が生き返るわけではありません。それに以前書きましたが、世界は広く、学校の中にだけいたのではわからないことが沢山あります(『この世でいちばん大事な「カネ」の話』)。

 学校教育をはずれてしまうと全てが終わってしまうように考えている人もいるようですが、日本の学校だけが教育を提供するところでも無ければ、無理をしてかなわない相手に立ち向かうことが勇気ではありません。

 『孫子』の兵法にもあるように、必要ならば今は逃げても、後日戦力を蓄え、再度立ち向かえば良いわけです。敵はいつでもどこにでもいます。逃げてばかりいては話になりませんが、玉砕するよりは逃げた方が数倍マシだと私は、思っております。

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