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  ゼロの騎士王 作者:ハル
召喚の儀



「ケホッ」


ゼロのルイズがサモン・サーヴァントをしようとしている


今の状況を的確に表すのであればそう言うのが正しいであろう


このトリスティン魔法学園という最高の魔法を学ぶ機関においての落ちこぼれ、あらゆる魔法を「爆発」という有り得ない(・・・・・)結果にする


付いた2つ名が魔法成功率ゼロ、「ゼロのルイズ」


………もっとも、彼女の家はトリスティンでも王家に連なり権威を誇るヴァリエール家なので表立って言うような者は………


「おいゼロのルイズ! そんなんじゃ何時までやったって無理だぞ!」


「そうよそうよ! ゼロのルイズなんだからどれだけやったって時間の無駄よ!」


「ゼロはどんなに頑張ってもゼロなんだよ!」


…………訂正しよう


この場にはそのようなことを気にしない輩が多々いるようだ


普通に考えれば報復を恐れその様なことは言わないのだが、ルイズは多分に漏れず、トリスティン貴族にありがちなプライドの高さを持っていた


故に己が悪名を実家に報告するは家名に泥を塗ると同義、ならば言っても被害は及ばず


そう判断した者から始まり、現在ではほぼ全てが言っていた


(なんで………なんで私は………!)


その時、ルイズの頭の中で何かがプツンと音を立てて切れた


「美しく強力で神聖な使い魔よ! 私は求め訴えるわ!」


周囲で野次を飛ばしていた生徒たちが疑問符を浮かべ、監督をする教師ですら虚を突かれる


その間にも着々とルイズはサモン・サーヴァントーーーーー己が半身たる使い魔を呼び出す儀ーーーーーを本来とは違った呪文(スペル)にて独自に進めていく

「なんでもいいから…………………来ぉーーーーーーい!」


瞬間、今までと同じ爆発


やはりダメなのだろうか、とルイズが本格的に落ち込みを見せ始めたその時


「お、おい。なにかいるぞ!」


「嘘!? ゼロのルイズがサモン・サーヴァントを成功させた!?」


そんな声が聞こえてくる、しかしそんなことに構ってはいられない


自分が何かを召喚した、そんなことは目の前の土煙の中から感じる気配で理解できる


そこから感じられるのは濃密で膨大な魔力…………もしやタバサのように竜種を引き当てたか、などと召喚した使い魔に対する期待を膨らませる


そして風によって払われた土煙の中から自分の使い魔が姿を現せた


「ーーーーーーーーーー」


それは誰の反応だったのか


いや、おそらくこの場にいた全員であろう


この場にいた誰もが、現れた使い魔に対して息を呑んだ


現れたのは年端もいかぬであろう少女、しかしその見に纏う雰囲気が尋常ではない


歴戦の猛者を思わせるような闘気、およそ少女の身には似つかわしくないものだ


そしてその少女の風貌も鑑みるに、おそらく少女は騎士なのだろう。その身には鎧を身に纏う、純然たる騎士である


そして少女は、今まで閉じていた双眸を開き、召喚主たるルイズを見据える


カシャン、と鎧の音を響かせながらルイズへと歩み寄る。しかし誰もその歩みを止めようとはしない


否、その場にて少女の許可なく動くことは許されない。そう身体が感じている、まさに王族に謁見しているかのように


ーーーーーこの場で少女の機嫌を損ねたのならば、首を跳ねられても致し方ない。そうとすら思えてくる、そしてそんな気持ちに疑問を抱く者はこの場にはいなかった



カシャン、カシャン、と心地よくすらある音が止み、少女はルイズに向けて右腕を向け、告げる





「ーーーーー問おう。貴女が私のマスターか」


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