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「尖閣国有化」を“一島両断”!石原都知事「人気取り」

「取りあえず東京が買う」 取材に応じる石原都知事
沖縄県・尖閣諸島国有化の方針について、記者の質問に答える石原都知事
Photo By 共同 

 野田政権が沖縄県・尖閣諸島を国有化する方針を固め、購入を検討している東京都の石原慎太郎知事に意向を伝えたことが7日、分かった。石原氏は都による購入方針を変えない意向で、国の対応を「人気取り」と一刀両断。地権者側が国への売却に難色を示していることも明らかにした。尖閣諸島の領有権を主張する中国政府も反発を強めており、国有化は難航必至だ。

 野田政権が国有化する方針なのは尖閣諸島のうち魚釣島と北小島、南小島。この3島は都が購入方針を示していることから、長島昭久首相補佐官らが6日に都庁を訪れ、石原氏に「(尖閣諸島を)国がぜひ買いたい」と伝え、理解を求めた。

 尖閣諸島は主に5つの無人島からなり、国有化されている大正島を除く3島と久場島は民間人が所有。現在は安定的管理のため国が地権者と賃貸借契約を結んでいる。野田佳彦首相は7日、視察先の福島県いわき市内で記者団に「平穏かつ安定的に維持管理する観点から、所有者とも連絡を取りながら総合的に検討している。さまざまな接触をしている」と述べた。

 石原氏は都内の自宅前で記者団に「取りあえず東京が取得し、国に渡すと答えた」と述べ、都による購入方針を変えない意向を表明。今年春ごろ、首相と会談した際、尖閣諸島を都がいったん購入した後、国に譲り渡す案を持ち掛けた経緯も明かした。首相は明確な返答を避けたという。

 政権幹部は既に地権者の男性と国有化方針をめぐり接触しているが、石原氏は地権者側から「国が(交渉に)来たが、石原さんにしか売らない」との連絡を受けたと説明。この地権者が別の関係者に「国と交渉する気持ちは一切ない」と伝えていることも判明。地権者は民主党政権の中国外交や安全保障政策に不信を漏らしているとされる。

 石原氏は野田政権に対し「どういう理由で国が急に意欲を持ったか分からない。相手の事情も分からず過去の歴史も知らずにやろうといったって、そう簡単にはいかない。やることが粗雑だ」と不快感をあらわに。「民主党は支離滅裂。(国有化表明は)人気取りだろう」と切り捨てた。一方、購入計画表明後、都への寄付金は13億円を超えており、都庁内には「後戻りできなくなった」との声も出ている。

 政権が国有化方針を打ち出した背景には、民主党分裂で足元がぐらつく中、外交面で毅然(きぜん)とした姿勢をアピールする狙いもあるとみられる。ただ、国有化までの道筋は不透明で、難航は避けられない。

 ≪石垣市では戸惑い≫尖閣諸島の行政管轄権を持つ沖縄県石垣市では戸惑いが広がった。中山義隆市長は「国が購入するだけでは全く意味がない」と指摘。中山市長は、尖閣諸島への上陸調査の許可を国に求め続けているが認められたことはなく、不信感は強い。中山氏は「公的機関が持っている方が安心感はあるが、上陸を認めない今のままの状態なら意味がない。都が買うのが筋だ」と強調。石垣市の無職男性(60)は「都が買えば、漁場開発や避難港の設置が進みそうだが、国が購入すると、そのまま塩漬けにされそうだ。大丈夫なのか」と不安そうに話した。

 ≪盧溝橋事件から75年「なぜこの日に」≫中国外務省は野田政権の尖閣諸島(中国名・釣魚島)国有化方針に対し「日本側のいかなる一方的な措置も不法で無効」と反発する談話を出した。7日は日中戦争の発端となった1937年の盧溝橋事件から75年を迎えた日。共同電によると、反日団体「中国民間保釣(尖閣防衛)連合会」のメンバー約20人が北京市郊外の盧溝橋で集会を開き、同連合会の李文代表は「日本はなぜこの日にわれわれを刺激するのか」と憤った。

[ 2012年7月8日 06:00 ]

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