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8 寮決定
 汽車が到着したので列車の戸を明けて外に出ると、小さなプラットホームだった。
やがて俺達の頭上に吊るされてないのにユラユラとランプが近づいてきて辺りを照らす。
「イッチ(一)年生! イッチ年生はこっち!」
ハグリッドの声が響く。
「さあついてこいよ――あとイッチ年生はいなかったかな? 足元に気をつけろ。
いいか! イッチ年生、ついてこい!」
寒いせいか地面は微妙に凍結して滑る。
オマケにランプに照らされてるけど暗いので道が分かりにくい。
電灯建てろや。
電灯が無理ならガス灯でも良いが。

「みんな、ホグワーツがまもなく見えるぞ。
この角を曲がったらだ」
「うぉーっ!」
ハグリッドの言葉の直後に1年生達の感嘆の叫びが聞こえる。
大きな湖のほとりの向こう岸に高い山がそびえ、その山頂付近に壮大な城が見えた。
中世の巨城で大小様々な塔が立ち並び、星の光を反射して窓が輝いている。
「四人ずつボートに乗って!」
ハグリッドの指示通りに湖に浮かぶ小舟に乗り込む。
ちなみに俺が乗るボートには原作通りの俺、ロン、ハーマイオニー、ネビルだ。
「みんな乗ったか?」
ハグリッドは1人だ。
まぁハグリッドの体格上そうなる。
「よーし、では、進めぇ!!」
ハグリッドの命令で小舟の船団は一斉に動き出す。
オールやエンジンなんか無いのに勝手に滑るように進んだ。
しかし1年生はその事には触れず、向こう岸にある城をただ見ていた。
「頭、下げぇー!」
先頭の何艘かが崖下に到着した時、ハグリッドが掛け声をかけた。
一斉に頭を下げると船団は蔦のカーテンをくぐり、その陰にかくれてポッカリと空いている崖の入口へと進んだ。
城の真下と思われる暗いトンネルを潜ると、地下の船着き場に到着した。
全員が下船した。
途中、何故かちゃっかりボートに乗っていたネビルのヒキガエルをハグリッドが見つける事があったが、1年生は岩の道を登り、湿った滑らかな草むらの城影の中にたどり着いた。
更にこんどは石段を登り、巨大な樫の木の扉の前に集まった。
「みんな、いるか?
お前さん、ちゃんとヒキガエルを持っとるな?」
ハグリッドは大きな握りこぶしを振り上げて、城の扉を3回叩いた。


扉がパッと開き、エメラルド色のローブを着た背の高い黒髪のいかにもな魔女が現れた。
マクゴナガルだ。
「マクゴナガル教授、イッチ年生の皆さんです」
「ご苦労様ハグリッド。ここからは私が預かりましょう」
マクゴナガルが扉を大きく開けると、イギリスの平均的な家一軒がまるまる入りそうな程広い玄関ホールが広がっていた。
しかしやはり電気は無いらしく、照明は松明だ。
マクゴナガルの案内でホールを横切ると、右手の方から何百人ものざわめきが聞こえる。
多分そこがメインホールなんだろう。
しかしマクゴナガルはホール脇にある小さな空き部屋に1年生を案内した。
1年生は窮屈な部屋に詰め込まれ、不安そうにキョロキョロしながら互いに寄り添う。
「ホグワーツ入学おめでとう。
新入生の歓迎会がまもなく始まりますが、大広間に席につく前に、皆さんが入る寮を決めなくてはなりません。
寮の組分けはとても大事な儀式です。ホグワーツにいる間、寮生が学校での皆さんの家族のようなものです。教室でも寮生と一緒に勉強し、寝るのも寮、自由時間は寮の談話室で過ごすことになります。
寮は四つあります。グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、スリザリンです。
それぞれ輝かしい歴史があって、偉大な魔女や魔法使いが卒業しました。ホグワーツにいる間、皆さんの良い行いは自分の属する寮の得点になりますし、反対に規則に違反した時は寮の減点になります。学年末には、最高得点の寮には大変名誉ある寮杯が与えられます。どの寮に入るにしても、皆さん一人一人が寮にとって誇りになるよう望みます。
まもなく全校列席の前で組分けの儀式が始まります。待っている間、できるだけ身なりを整えておきなさい」
その直後、マクゴナガルはネビルのマントの結び目がズレてることやロンの鼻の頭の汚れを見た。
「学校側の準備が出来たら戻ってきますから、静かに待っていてください」
マクゴナガルが部屋から出ていくと辺りには緊張が立ち込める。
組分け儀式の内容を知らないから誰もが試験でもあるのか? と不安気。
ハーマイオニーは今まで覚えた全部の呪文について早口で呟いている。
かなり不気味だ。



 しかしその時、緊張した空気をぶち壊しにする物が現れた。
後ろの壁から20体のゴーストが現れた。
1年生は突然の事に悲鳴さえ上げるが、ゴースト達はほとんど見向きもせず、互いに議論をしながら部屋を横切る。
「もう許して忘れなされ。彼にもう一度だけチャンスを与えましょうぞ」
「修道士さん。ピーブスには十分過ぎるくらいにチャンスをやったじゃないか。我々の面汚しですよ。しかも、ご存知のように奴は本当のゴーストじゃない――おや、君たち、ここで何してるんだい」
ひだ襟のついた服を着てタイツをはくという昔のファッションをしたゴーストが1年生に話しかける。
「新入生じゃな。これから組分けされるところか?」
太った修道士が微笑みかけながら尋ねると2、3人が黙って頷く。
「ハッフルパフで会えるとよいな。わしはそこの卒業生だからの」
修道士が話しているとマクゴナガルがやっと来て
「さあ、行きますよ。
組分け儀式がまもなく始まります」
マクゴナガルを見てゴースト達は壁を抜けていった。
「さあ、一列になって。ついてきてください」
マクゴナガルの指示に従って何となくで一列を組んで行進する。
部屋を出て再び玄関ホールに戻り、二重扉を通って大広間に入る。
そこには映画通りの長いテーブルが4つ並び、上級生達がこっちを見ている。
天井には本物の天の川のような満天の星空が広がっている。
「本当の空に見えるように魔法がかけられているのよ。『ホグワーツの歴史』に書いてあったわ」
雰囲気をぶち壊しにするハーマイオニーの説明が聞こえた。
解説ありがとう。
お前は黙ってられないのか?


行進が終了し、1年生が止まった。
1年生達の前にはボロボロで継ぎはぎだれけの汚い帽子が置かれた椅子があった。
するとその帽子がピクピク動き、つばのへりの破れ目がまるで口のように開き、歌い出した。
『私はきれいじゃないけれど、人はみかけによらぬもの。
私をしのぐ賢い帽子、あるなら私は身を引こう。
山高帽子は真っ暗だ。シルクハットはすらりと高い。私はホグワーツの組分け帽子。私は我らの上をいく。
君の頭に隠れたものを、組分け帽子はお見通し。かぶれば君に教えよう、君が行くべき寮の名を。

グリフィンドールに行くならば、勇気がある者が住まう寮。勇猛果敢な騎士道で、他とは違うグリフィンドール。

ハッフルパフに行くならば、君は正しく忠実で。忍耐強く真実で、苦労を苦労と思わない。

古き賢きレイブンクロー。君に意欲があるならば。機知と学びの友人を、ここで必ず得るだろう。

スリザリンではもしかして、君はまことの友を得る。どんな手段を使っても、目的遂げる狡猾さ。

かぶってごらん! 恐れずに!
興奮せずに、お任せを!
君を私の手にゆだね(私に手なんかないけれど)、だって私は考える帽子!』
歌が終わると広間が拍手喝采に沸いた。
あれ毎年変わるんだよな。
確かその時世に合わせて。
「僕たちはただ帽子をかぶれば良いんだ! フレッドの奴、やっつけてやる。トロールと取っ組み合いさせられるなんて言って」
何故かロンが囁いてきた。
ていうかちょっと考えれば分かるだろ?
1年生がトロールと戦わされたらほとんどは死ぬって。
本当に優秀な者のみが入学出来るっていう意味なら納得出来なくは無いがな。
マクゴナガルが長い羊皮紙の巻紙を手にして前に出て
「ABC順に名前を呼ばれたら、帽子をかぶって椅子に座り、組分けを受けてください」


その後はそれぞれ名前を呼ばれたら椅子に座って帽子を被ったら直ぐに寮の名前を言われる。
映画と違って何も言わないらしい。
しかし中には判定に少し時間がかかる生徒もいた。
まぁ際どい性格もあるだろうしな。
ネビルも見た目的にはハッフルパフなのにかなり時間をかけてグリフィンドールになったし。
その一方でドラコは早い。
髪に触れた瞬間に「スリザリン!」と言う速さ。スゲェな。
まぁマルフォイ家は代々スリザリンだからな。
ドラコも満足気に既に決まったクラッブとゴイルの元に行った。
「ハリー・ポッター!」
かなり最後になってようやく呼ばれた。
俺の名前が出た瞬間、さっきまで騒がしかった大広間が一瞬沈黙した後、囁きの波が広がった。
しかしそんな事は想定済みなので気にせず椅子に座り、帽子を被る。
「フーム」
低い声が耳の中で聞こえる。
「君は様々な経験をして来たのだね。
何をしてきたのかはよく分からないが、常人には決して味わう事が出来ない体験を。そしてそれは今も続いている」
どうやら組分け帽子に原作知識についてはバレてないらしい。俺が様々な経験をしてきた、という大まかにしか分かっていない。何かブロックでもあるのか? それとも俺をこの世界に飛ばした奴のサービスとか?
「それで、俺の寮は?」
「フム、初めての経験だから戸惑ってしまったが、君の行く寮はこれ以外あるまい。
……スリザリン!」
帽子の声が響いた瞬間、スリザリンのテーブルからは歓声が上がり、他のテーブルには困惑が広がっている。
何せヴォルデモートを殺した子供がスリザリンに行くんだからな。
来賓席にいるハグリッドは口を開けて「信じられん」と言っている。
まぁ流石に声は聞こえないから唇を読んだ。
他の教員も驚きを隠せないのか、マクゴナガルやスネイプも唖然。
唯一ダンブルドアは動じず拍手をしていた。
あの爺には意外では無かったようだ。
まぁヴォルデモートとの絆があるのだからあり得なくは無い。とでも思ってるのだろうか?
それとも監視をしてて小学校時代を見ていたから予想出来ていたとか?
まぁ別に良いか。
俺はヴォルデモートみたいなバカはやってないから問題無い。


スリザリンのテーブルに着いたら上級生と思わしき男に握手を求められたり、歓声を上げられたりと思ったより歓迎された。
てっきり自分達のご主人様であるヴォルデモートを殺した俺を疎んじると思ったが、実際はかなり歓迎された。
まぁ恐怖政治を敷いていたヴォルデモートじゃしょうがない。
ヴォルデモートに真に忠誠を誓っていたのはベラトリックスやクラウチJr.みたいな本当にイカれてた奴だけ。
大抵の奴等は恐いから従っていただけで心からの忠誠は無い。
だから本心ではヴォルデモートが死んでかなり嬉しい筈だ。
ダメだよ恐怖だけじゃ。
それじゃあ真の忠誠は得られない。
負けるべくして負けたんだ。
多分10年前に死ななかったとしても遅かれ早かれ謀反や暗殺などで死んでいただろう。



 最後の組分けが終わり、マクゴナガルは名簿の巻き紙をしまい、帽子を片付けた。
ダンブルドアが立ち上がり
「おめでとう! ホグワーツの新入生、おめでとう!
歓迎会を始める前に、二言、三言言わせていただきたい。ではいきますぞ。
そーれ! わっしょい! こらしょい! どっこらしょい! 以上!」
ダンブルドアは席に着き、出席者全員が拍手し歓声を上げた。
いや、正確にはスリザリンは拍手をするだけで歓声は上げていない。
グリフィンドールは熱狂的に上げているが。
ちなみに俺も拍手はしといた。
ダンブルドアの演説が終わると目の前の空の皿に料理が出現した。
ローストビーフにローストチキン、ポークチョップ、ラムチョップ、フレンチフライなど正にTheイギリス料理ばかりだ。
野菜は少なくて栄養バランスを考えない子供が好きそうなメニューばかり。
まぁ小中高生ならこのメニューは最高だろう。
しかし千歳を越えてからはそんなに肉にがっつきたいと思わなくなった俺にはキツイ、色んな世界に行ったがやはり日本食が好きだからこの脂っこい物ばかりの食事は見てるだけで胸焼けを起こしそうだ。
孤児院では意外にも栄養バランスを考えた食事が多かったから良かったが、ホグワーツでは不健康まっしぐらだ。
別にコピーで好きなメニューを出す事も出来るが隠れながら食べなきゃいけないし、食器の始末も面倒だからこの食事を食べなければならない。
豆やニンジン、ポテトなど微かにある野菜を多めに取って後はステーキやソーセージ、ローストチキンなど肉類も取る。
何故かメニューにはハッカ入りキャンディもあるが、少なくとも俺は食事中に食べる物では無いので無視。

各テーブルにはその寮に住んでいるゴーストがいるが、スリザリンのゴーストは血みどろ男爵だ。
虚ろな目でゲッソリとした顔。衣服は銀色の血で汚れている。
幸いにも俺の近くではなく、ドラコのすぐ隣に座っている。
ドラコはそれがお気に召さないらしく顔をしかめている。

全員がお腹一杯になったあたりでメインは消え去り、デザートが同じように現れた。
ありとあらゆる味のアイスクリーム、アップルパイ、糖蜜パイ、エクレア、ジャムドーナツ、トライフル、イチゴ、ゼリー、ライスプディングなど。
さっきまで腹一杯そうだった奴等はデザートを貪るように食い始める。
それを見て(若いって良いねぇ)と思った。
肉体的には同年代なんだが、どうしても今までの経験があるから同じ事は出来ない。
アップルパイを1切れ食べて食事を終了する。
それを見ていた隣の奴から「体調が悪いの?」と聞かれた。
そいつは体格は普通なのに皿一杯に様々なアイスや糖蜜パイ、エクレアなど盛っていた。
子供にありがちな盛り方だな。
「いや、何時もこれぐらいだから大丈夫。ありがとう」
礼を言うとそいつはまた食い始めた。
しかしどう見ても食いきれると思えない。
残すんだろうなぁ、と思いながら来賓席を見ると、ハグリッドはデカイゴブレッドでグイグイ飲んでいる。多分酒だろう。
マクゴナガルはダンブルドアと話していて、クィレルとスネイプも話している。
するとクィレルのターバンがこっちに向いた瞬間、額の傷に痛みが走る。
「クッ!」
とっさに片手で傷を抑える。
成る程、これがヴォルデモートの絆か。原作でもかなり痛がっていたが、確かにこれはキツイ。
するとまたしても隣の奴が「どうしたの?」と心配そうに聞いてきた。
「何でもない、軽い頭痛だ」
心配いらないとばかりに手を振る。
もう絶対クィレルの方を見ない。



 デザートも消えた時、ダンブルドアが立ち上がった。
「エヘン――全員よく食べ、よく飲んだじゃろうからまた二言、三言。新学期を迎えるにあたりいくつかお知らせがある。
一年生に注意しておくが、校内になる森に入ってはいけません。これは上級生にも何人かの生徒達に特に注意しておきます」
ダンブルドアはウィーズリー兄弟を見た。
「管理人のフィルチさんから授業の合間に廊下で魔法を使わないようにという注意がありました。
今学期は二週目にクィディッチの予選があります。寮のチームに参加したい人はマダム・フーチに連絡してください。
最後ですが、とても痛い死に方をしたくない人は、今年いっぱい四階の右側の廊下に入ってはいけません」
ほんの少数は笑うが、ほとんどの生徒は真面目に聞いている。
笑った生徒達は周囲の空気を見て本当なんだと悟った。
「では、寝る前に校歌を歌いましょう!」
ダンブルドアが声を張り上げた。
しかし他の先生の笑顔が急にこわばった。
ダンブルドアが杖を振ると金色のリボンが長々と流れ出て、テーブルより高く登ってヘビのようにクネクネ曲がって文字を書く。
「みんな自分の好きなメロディーで。では、さん、し、はい!」
各々バラバラなメロディーで歌い始めた。
『ホグワーツ ホグワーツ ホグホグ ワツワツ ホグワーツ
教えて どうぞ 僕たちに
老いても ハゲても 青二才でも
頭にゃなんとか詰め込める
おもしろいものを詰め込める
今はからっぽ 空気詰め
死んだハエやら がらくた詰め
教えて 価値のあるものを
教えて 忘れてしまったものを
ベストをつくせば あとはお任せ
学べよ脳みそ 腐るまで』
バラバラに歌ってるから早く終わる奴もいれば、双子のウィーズリー兄弟のように葬送行進曲で歌うとんでもなく遅い奴もいた。
ちなみに俺は歌ってない。
しかしダンブルドアにはそれでも感動出来たのか、感激の涙を浮かべながら
「あぁ、音楽とは何にもまさる魔法じゃ。
さぁ諸君、就寝時間。駆け足!」
ダンブルドアの解散命令で各寮の1年生は監督生に続いて寮に向かう。
廊下を通る時は壁にかけられている無数の肖像画の人物達が囁いたり指差してくる。
スリザリンの寮は地下牢だから他の寮と違って下に階段を降りる。
途中上から悲鳴のような声が聞こえたが監督生が
「あれは多分ピーブスが他の寮の1年生をイタズラしているんだろう。
ピーブスはポルターガイストで何時もイタズラをしかけてくる。しかし安心しろ。
ピーブスはスリザリン寮に住んでいるゴーストの血みどろ男爵が恐いから滅多にスリザリン生にはイタズラをしない。血みどろ男爵に言いつけるぞ。とでも言えば大抵引き下がる」
監督生が1年生を安心させるために解説してくれた。
成る程、原作では主人公勢もかなり苦労させられたピーブスも血みどろ男爵が恐いからスリザリン生にはあまり手を出せないか。
逆にグリフィンドール生は思いっきりやられそうだな。
スリザリン生にやれない分をぶつけるだろう。血みどろ男爵と良い関係とは言えないほとんど首無しニックの寮だから男爵も何も言わないだろうし。


階段を降りてようやくスリザリンの寮に着いた。
監督生が合言葉を言うと絵画が開いて中に入った。
スリザリン寮は地下牢にあるからか荒く削った岩肌の暗い雰囲気が漂っている。
良く言えばコンクリート打ちっぱなしのデザイナーズマンションに近いが、ただ洞窟を削ったように見える。
談話室にはグリフィンドール寮同様に大きな暖炉があり、暖炉を囲むように椅子やテーブルがある。
女子は女子寮に、男子は男子寮に向かうと、窓は無いが広い部屋にスリザリンのシンボルカラーである緑色のカーテンがかかった4本柱の天蓋付きベッドが5つ並んでいる。
ベッドにはそれぞれの荷物が置いてあり、そこが自分のベッドだと分かった。
にしても良かった。ベッドは別で。
もし合宿所や男子高の寮みたいに2段、3段ベッドだったらキツイからな。
一応天蓋が着いているからプライベート性は確保出来る。
「それにしても意外だったね。君がスリザリンとは」
同室になったドラコが話しかけてきた。
ちなみにドラコの他にはクラッブ、ゴイル、それと知らないモブが同室だ。
「確かに。自分でも正直驚いたよ。
まぁでも選ばれたんだから仕方ない。これからよろしく」
「あぁよろしくポッター君。君とは仲良く出来そうだしね」
ドラコはニヤリとしながらベッドに入る。
汽車の事から俺が御しやすい奴だと思ったんだろう。
まぁ今のところドラコやマルフォイ家と対立するつもりは無いから否定はしないがね。
広く、浅い付き合いをしていこうじゃないか。


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