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 目が覚めたら真っ白な空間にいた。
 ハイ、テンプレですね。

 「僕、邪神ね」

 目の前に神を名乗る少年がいました。いや、邪神か・・・・・・。
 まあそこは特に注目すべきところじゃないな。

 「そうだね。キミにはそんなことは関係ないね」

 ナチュラルに心を読んできた。
 なんで俺は邪神に呼び出されたの?俺って確か交通事故で死んだよね?暴走車に轢かれて胴体真っ二つになった記憶があるもん。

 「その通り、君は死んだ。でもキミは運がいい。丁度近くで僕が暇つぶし要員を探していたところだからね」

 「なんだ。あれか?チート転生で俺の目を楽しませやがれってか?」

 「まあそんな認識でいいよ」

 チート転生?やったね。最高だね。テンプレ万歳。

 「どんな能力をくれるんだ?」

 「僕は最近ダンジョン経営物にはまっていてさ、キミにダンジョンを経営してもらおうと思うんだ」

 俺も好きだよダンジョン経営。RPGな世界に転生したいな。

 「君の要望はなるべく叶えてあげるよ。何せ僕の我がままにも付き合ってもらうんだからね」

 ゴブリンやドラゴンじゃありきたりすぎてつまらない。
 そうだ。虫系と植物系の魔物を主にした森系ダンジョンなんてどうかな。虫モンスターは最近人気なんだけどね。
 魔物を生み出す能力とダンジョンを形成する能力があればいい。

 「わかったよ。それじゃあ今日から君の名前は<樹海統べる群蟲王>ユグドラシルだ」

 なんか数の暴力臭がする。

 「蟲だからいいだろう?」

 そうだね。
 あれだ、人外ハーレムを作りたい。そこも視野に入れてほしい。

 「わかった。君の姿は人型にしておくよ」

 ふっふっふ。なんかわくわくしてきたな。
 あ、でもちゃんと生き残れるような環境にしてくれよ?行ってすぐに死亡なんていやだからな。
 あとはそうだな・・・・・・不老長寿。

 「不死じゃなくていいのかい?」

 死なないっていったら死にたくなったときどうするんだよ?

 「死にたくなったら自殺できる不死とか?」

 それはいいかもしれないな。

 「じゃあそれにするね」

 最後にイケメンになりたい。こんなところでいいかな。

 「わたった。それじゃあRPG風異世界に送るよ」

 「OK。どんと来い」

 「じゃあどんと行くよ」

 後ろの足元に黒い穴が現れた。真下じゃなくて後ろなの?

 「えい♪」

 突き飛ばされた・・・・・・。


















 「もう異世界か?」

 何もない洞穴の中で目が覚めた。きっとここからダンジョンを作り始めろということだろう。それにしてもすごく夜目が利くな。
 俺は能力を使い、ダンジョン作成に入る。
 まず俺の周りに一つの大部屋を作る。そして<光苔>を天井や壁、床にに敷き詰め<灯台茸>を数本植える。

 「結構明るくなったけどまだ薄暗いな」

 地下だし仕方がないか。
 それにしてもある程度の知識を植え付けてくれたのはありがたい。便利だ。

 「出でよ<鬼蟻>」

 俺は柴犬くらいの大きさの蟻型の魔物を10匹生み出す。名前の通り鬼みたいな厳つい顔付きの蟻だ。
 そしてこの大部屋を中心に数本の通路と小部屋と中部屋を作る。そこにも<光苔>と<灯台茸>を植える。
 そうだ。今更だがステータスを確認しておこう。

 ***

 名前:ユグドラシル
 種族:樹海統べる群蟲王
 LV:1
 迷宮:静寂なる地下樹海

 称号:
 樹海統べる郡蟲王…静寂なる地下樹海の主の称号

 能力:
 無限成長…成長限界が存在しない
 魔物創造…下の表にある魔物を生み出すことができる
 迷宮創造…自身のダンジョンの構築作業が出来る
 郡蟲の体…体を無数の蟲に分裂させることが出来る
 麻痺毒精製…様々な強さの神経毒を精製できる

 召喚可能兵:
 鬼蟻…凡用蟻系魔物
 傭兵蟻…戦闘特化蟻系魔物
 人斬り飛蝗…切断攻撃特化飛蝗系魔物
 大蚯蚓…奇襲特化蚯蚓系魔物
 民草…人型草系魔物
 触蔓…触手型蔦系魔物
 噛付き瓜…食人型野菜系魔物

 環境:
 光苔
 灯台茸
 食用苔
 食用茸
 果実樹

 ***

 一日に何度も魔物を生み出したりダンジョンを改築できるわけではないから少し考えてダンジョンと構築しないとな。
 <食用苔><食用茸><果実樹>を数本植えて食料を確保する。そして鬼蟻どもに世話をさせる。食料は大切だからな。魔物にもご飯をやらないといけないし。

 「出て来い<民草>」

 俺が声を出すと、目の前に一人の美女が現れた。まあ下半身が植物なんだけどな。
 ちなみに民草はそれなりに高い知能を持っているが言葉をしゃべることは出来ない。
 こいつには俺の身の回りの世話をやらせる。

 「話し相手がいないと寂しいものだな」

 この静寂な地の底の森。民草の女は「私がしゃべれればよかったんですけど」とまさかの手話で意思表示してきた。



 こうして俺、<樹海統べる群蟲王>の<静寂なる地下樹海>での生活が始まった。






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