滋賀県は古来から、交通の要衝と言われている。
江戸時代の5街道のうち、東海道と中山道が東西、南北に滋賀県内を通じている。
東海道53次の宿場町のうち、土山宿から大津宿までの5つの宿場町、中山道にあっては柏原宿から大津宿までの10の宿場町がある。
江戸の日本橋から京の都・三条大橋までの宿場町のうち、合計15もの宿場町を有するのは滋賀県だけだと思う。
中山道は、別名「木曽路」と呼ばれ、木曽路が有名で滋賀県の宿場町を知らない人が多くいる。
宿場町の話はここまでで、要は、東西を結ぶ交通の要衝であることには変わりなく、名神高速道路、新名神高速道路、JR琵琶湖線(旧名:東海道本線)、東海道新幹線等、我が国の大動脈流の中心におかれている。
震災などの自然災害や大事故、あってはならないがテロ行為などによって交通網が遮断されると、我が国に計り知れない大きな被害を生じることになる。
この道路や鉄道のポイントが橋梁であると考えている。
この「橋」に関する注目すべき記事が掲載されていた。
いまや、大飯原発再稼働問題、夏場の計画停電、そして民主党の一部議員による造反劇のニュースが大半を占める紙面にこの記事を発見した。
国土交通省が発表したもので、全国にある道路にかかる橋の補修率が、僅か11%という見出しである。
記事の詳細は、都道府県や市町村が管理する道路にかかる橋で老朽化などにより早急な補修が必要となった6万704ヶ所のうち、補修中または補修済みなのは10.7%の6,476カ所にとどまるとされている。
そこで滋賀県はどうかというと、早急な補修が必要とされる橋が215カ所、しかし1カ所として補修がされていないのである。
日本全国47都道府県で、ゼロ(補修を全く行っていない。)は滋賀県だけである。
交通の要衝にあたる滋賀県の道路にかかる橋が数多く早急な補修が必要とされていながら、一カ所として補修をしていないのだから驚きである。
ケニア人のマンガリ・マータイ博士は、環境分野で世界初のノーベル平和賞受賞者であるが、同女史は、日本の「もったいない」と言う言葉に魅せられて、これを世界共通語として広げようと提唱した人物である。
つまり、女史の思いは、この日本語のもつ意味を正しく理解したのかどうかは知らないが、要は地球規模の環境保護は開発行為でなく、より自然な形で保護することが必要と訴えたのである。
滋賀県の琵琶湖研究所にいた某女は、知事選挙に立候補して、大半の予想を覆して当選し、このマンガリ・マータイ女史の提唱する「もったいない」を行政の柱にするような方針を打ち出した。
このことは周知の事実であるが、他人の提唱したことを模倣したことまでは知らないと思う。
この時点から、自分なりのオリジナリティーとは皆無で、しかもパフォーマンス好きであった。
滋賀県のマータイ女史は、この言葉がもつ、「妥当でない」、「不届き」が転じて、「ありがたい」、「粗末に扱われては惜しい」の意味を、無駄なことに税金を費消しないと言いたかったのだろうが、県民の安全を確保するための最低限の事業には、「もったいない」と言わないで有効に予算を使ってほしいものである。