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【コラム】

中日春秋

 「水泳は楽しい」と聞いただけでは、では自分も始めてみようか、とはならない人も、「その上、痩せられる」と聞かされると、途端に、やってみるか、と思ったりする

▼ただの趣味より趣味と実益を兼ねる方に惹(ひ)かれるのが人の常で、どうも、私たちには「一石二鳥」や「一挙両得」に弱いところがある。テレビ通販の「今なら、もう一台お付けして同じ値段!」に心を揺さぶられるのも関係があろう

▼されば、これにも期待ができるのでは、と思うのが節電だ。英国には、<MONERGY>なる言葉があると聞く。MONEY(お金)とENERGY(エネルギー)をくっつけた造語で、家庭などでの省エネや効果的な消費を指す

▼節電を進めることは、その分の電力を生んでいるに等しいから「節電力」とでも呼びたいが、脱原発依存の道を開くための行動であると同時に、電気代、つまりお金も浮くのだから、まさに私たちの好きな一石二鳥である

▼加えて、日本人には、いいとなると徹底して進める傾きもある。家庭でも企業でも勢いがつけば相当な節電が可能なはずで、政府がその道を追求もせず、電力不足を口実に安易に大飯原発の再稼働に走ったのが惜しまれる

▼気象庁の予報によれば、この夏も暑くなりそう。節電目標は緩和されたが、構うことはない。政府の口実を奪うぐらいの“節電力”を養いたい。

 

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