社説:JR西3元社長公判 真相解明に率直に語れ

毎日新聞 2012年07月07日 02時32分(最終更新 07月07日 03時26分)

 国の事故調査は背景分析に踏み込めず、山崎正夫元社長が事故調査委員に接触して報告書案を入手していたことが発覚し、かえって遺族らの不信感を高めた。事故の真相はいまだ明らかになっていない。

 遺族や負傷者が知りたいことは多い。懲罰的な日勤教育が運転士に重圧を与えたのではないか。事故を防げた自動列車停止装置(ATS)が現場に整備されなかったのはなぜか。過密ダイヤで運転の余裕がなくなったのではないか。収益優先と引き換えに安全管理がおろそかになったのではないか。これらは、すべての利用者の疑問でもある。

 事故現場が急カーブに付け替えられたのは、新線開業という経営方針に伴う判断だ。その場合、安全の最高責任者でもある公共交通機関のトップはどんな手を打つべきだったのか。検察審査会が3人を起訴すべきだと議決したのも、トップの責務を果たしていないと考えたからだ。

 神戸地検は、カーブの付け替え時に鉄道本部長だった山崎元社長を起訴したものの、無罪が確定した。3人の過失立証は容易ではないが、裁判を真相解明の場にしなければならない。

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