中日新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 滋賀 > 7月7日の記事一覧 > 記事

ここから本文

【滋賀】

いじめ側に「死ぬ」 7人が伝えたことを見聞き

 昨年十月に大津市の中学二年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺した問題で、市教委のずさんな調査が次々と明らかになってきている。男子生徒が自殺前、加害者とされる生徒に電話やメールで「死ぬ」と伝えたことを見聞きしたと七人が回答したが、市教委は公表していなかった。さらに、加害側とされる生徒が否定したため、携帯電話の履歴を調べることもなかった。

 アンケートは男子生徒が自殺した直後の昨年十月、全校生徒八百六十三人に実施。無記名は百七十六人分あったが、市教委は「全体を把握のために役立てた」とする程度で、内容を調査しなかった。記名の回答は百二十七人分あったが、市教委は「重複している情報もある」として、実際に聞き取りをした人数は半分以下。「自殺の練習を強要されたと聞いた」などと自殺といじめの関連性を疑わせる回答もあったが、市教委は「伝聞なので確度が低い」と、加害者とされる生徒には事実確認をしなかった。 関係者によると、アンケートではこのほか「先生にも泣きながら電話で言ったそうですが、あまり対応してくれなかった」「一度先生は注意したけれど、その後は一緒になって笑っていた」など、教員が放置したとする回答が記名七件、無記名七件あった。市教委は「教員の聞き取り調査では確認できなかった」と説明する。

 越直美市長は「市教委の調査に限界があった」として外部有識者による調査委員会の設置を決定。しかし、沢村憲次教育長が出した談話は「可能な限りの調査を行ってきた。外部の視点による検証をする場合も生徒に混乱を来さないように十分に配慮することが大切」として、市教委の調査の不備は認めていない。

 

この記事を印刷する

PR情報



おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ