食中毒事件の発生について
課所名: 食品安全課
担当名: 監視・食中毒担当
担当者名: 吉永・渋谷・清水
内線電話番号:3611
直通電話番号: 048-830-3611
Email: a3420@pref.saitama.lg.jp
1 探 知
7月3日17時05分頃、八潮市民から草加保健所に、「6月27日に八潮市内の飲食店を利用した6名中5名が腹痛、下痢、発熱等の症状を呈している。」旨の通報があり、同保健所が調査を開始した。
2 調査結果
草加保健所で調査したところ、次のことが判明した。
(1)患者グループは、6名中5名が発症していた。
(2)患者便からカンピロバクターが検出された。
(3)患者を診察した医師から食中毒の届出があった。
(4)患者の状況
ア 喫食者:6名
イ 患 者:5名(女性5名 20~22歳)
※受診者5名 入院者あり。患者は全て快方に向かっている。
ウ 喫食日時:6月27日20時頃
エ 初発日時:6月28日12時
オ 主な症状:腹痛、下痢、発熱等
カ メニュー:焼き鳥盛り合わせ、サラダ、カルパッチョ、雑炊、うどん、ササミのキムチ和え、
とりたま丼、枝豆、とりせんべい、鶏軟骨の唐揚げ等
3 行政処分
調査結果から、草加保健所は次の施設を原因とする食中毒事件と判断し、本日、営業者に対して行政処分を行った。
(1)営業者:有限会社 BON 遠田 光伸(ユウゲンガイシャ ボン オンダミツノブ)
埼玉県八潮市浮塚1041-16
(2)営業施設:鶏や 梵-Bon- (トリヤ ボン)
埼玉県八潮市八潮1-19-13ヤヒコマンション1F
(3)違反内容:食品衛生法第6条第3号違反(平成24年6月27日、上記施設において調理提供された食事
を喫食した者のうち5名に対し、カンピロバクターによる腹痛、下痢、発熱等の健康被害を与えた。)
(4)行政処分の内容:食品衛生法第55条に基づく営業停止命令
処分年月日:平成24年7月6日
営業停止3日間 平成24年7月6日~8日
(5)病因物質:カンピロバクター
4 指導内容
草加保健所では、食中毒の再発防止を目的として、営業者に対して、施設の消毒を指導するとともに、営業停止期間中に飲食店従業員に対する衛生教育等を行う。
参考情報
カンピロバクター
Q. 菌の特徴は
A. この菌は、鶏や牛、豚などの家畜や、犬などのペット類の腸管内に分布しています。そして、この菌に汚染された食品を介して食中毒を引き起こします。
この菌は、微好気(少量の酸素がある状態)という特殊な条件下で増殖し、常温の空気中では徐々に死滅してしまいますが、4℃以下の温度ではかなり長い間生きています。また、少量の菌量でも発病するため、飲用水の汚染があった場合には大量の患者発生をみることもあります。
Q. どんな食品が原因となりますか
A. 過去には牛レバ刺し、鶏肉等の食肉の生食や、バーベキューでの加熱不十分、菌に汚染されたサラダ、生水なども原因となります。
Q. 症状はどうですか
A. 潜伏期間は約2日から7日で比較的長く、主症状は通常の場合、発熱、けん怠感、頭痛、めまい、筋肉痛などで、その後下痢が起こります。
Q. 予防のポイントを教えて下さい
A. (1) 生肉を冷蔵庫で保存するときは、ビニール袋や容器に入れ、他の食品に接触、汚染しないように努めること。
(2) 食品を調理するときは十分に加熱すること。この菌の消毒には、熱湯が有効なため、
包丁・まな板は熱湯により消毒し、消毒後はよく乾燥させること。
(3) 調理のとき、生肉を扱った包丁・まな板などの調理器具は、専用のものを使用し、
食品を汚染しないように使い分けること。
また、生肉を取り扱った後は、手指の洗浄・消毒を必ず行うこと。
(4) ビルやマンションの貯水槽は周辺を清潔にし、ハトなどのふんが入らないようにするなど適正に管理すること。
また、井戸水や沢水は動物のふんに汚染されている場合があるので、塩素消毒したり、沸かしてから飲むこと。
埼玉県の食中毒発生状況(本件を含む) ※さいたま市、川越市を除く
件数 患者数 死者数
平成24年4月1日~平成24年7月6日現在 3 21 0
平成23年度(4月1日~7月6日 ) 6 35 0
※ 食中毒の原因となる病因物質に関する情報は、県のホームページに掲載しています。
http://www.pref.saitama.lg.jp/page/byouinbussitu.html