再稼働決定強行 大飯起動の準備に着手
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012061702000120.html
東京新聞 2012年6月17日 朝刊
だれもが「おかしい」と思っている。なのに政治はおかしい方向にばかり進む。東京電力福島第一原発事故後に大きなうねりとなった「脱原発」の民意を無視し、政府は十六日、関西電力大飯(おおい)原発(福井県おおい町)の再稼働を決めた。
でも脱原発の波は衰えてはいない。民意と政治のずれを解消しようと動く人たちがいる。主権者である国民は決してあきらめてはいない。
政府は十六日、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を最終決定した。多くの国民が反対し、安全面でも不安を抱えたまま原発が動きだす。関電は原子炉の起動準備に着手。3号機は早ければ七月一日に原子炉が起動し、四日に発電を始める。3号機の稼働後、4号機も作業を本格化させ、最短で七月二十四日には二基ともフル稼働する見通しだ。
政府の決定に先立ち再稼働に同意する考えを野田佳彦首相に伝えた福井県の西川一誠知事は、県庁に戻って記者会見し「当面、原発を重要な電源として安全に稼働させることが最も現実的な方法だ」と述べた。
一方、関電は十六日午後、3号機の二次冷却系配管に水を通して清掃し、再稼働に向けた準備作業に入った。
また経済産業省原子力安全・保安院も、再稼働に向け「特別な監視体制」の運用を開始した。原子炉がフル出力に達するまでの局面では牧野聖修経産副大臣らが現地に常駐する。
安全対策として免震施設の建設や防潮堤の整備などが置き去りになる一方で、再稼働に向けた作業が進もうとしている。
テーマ:脱原発・反原発