「ココが聞きたい」DWTI社長・日高有一氏 期待のバイオベンチャー、開発ペースは

更新日:2011年 8月 6日 (土)

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「5年に1つくらいのペースでライセンスアウトしていきたい」と話す日高社長

 バイオベンチャー企業のデ・ウエスタン・セラピテクス研究所(本社名古屋市中区)が、ジャスダック上場からことし10月で丸2年を迎える。7月末、開発中の新薬である緑内障治療剤「K―115」について、ライセンスアウト(特許実施権の許諾)先の興和が国内臨床試験の最終段階である第Ⅲ相試験を開始した。発売に向けて、期待が高まる。日高有一社長に、事業の特徴や今後の見通しなどを聞いた。
 ―上場から2年。手応えは。
 「この2年は、飛躍に向けて力をためる時期だった。今年に入り、ライセンスアウト済みの新薬の臨床試験が最終段階に進み、ようやく成果がでてきたところ。ここから、勢いをつけていきたい」
 ―バイオベンチャーの先駆けとして、強みは。
 「2000年代、大学発のバイオベンチャーブームが盛り上がったが、当社の設立は1999年で比較的、歴史が長い。(父親である)創業者がもともと名古屋大学や三重大学の研究者で、技術の蓄積があると自信を持っている。三重大医学部には産学官連携講座を開設。研究所を置いて研究員13人を派遣している」
 「『K―115』は、酵素阻害剤『Rhoキナーゼ阻害剤』という世界初の作用メカニズムを持った緑内障治療剤。今後、順調に進めば2013年中に臨床試験が完了する予定だ。そのほか、『シグナル伝達阻害剤開発プロジェクト』を進めており、2~3年に1つくらいのペースで新薬の『種』をつくり、できるだけ早く世の中に出していきたい」
 ―黒字化のめどは。
 「収益構造は、ライセンスアウト時のフロントマネー収入、開発段階に応じて発生するマイルストーン収入、製品発売後のロイヤリティー収入から成る。そのため、新薬の臨床試験の進み具合や販売状況などによって、収益が大きく変わる。新薬が発売されれば、経常的に黒字が確保できるようになる見通し。バイオベンチャーは社会貢献性が高く、夢のある分野。投資家などステークホルダーに報いるためにも、世界の舞台で勝負し、現在の時価総額約30億円を、将来的に1千億円規模にするのが目標だ」

 

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